八木重吉
「秋の瞳」

    つるぎ
   劔を持つ 者


 
 つるぎを もつものが ゐる、
 
 とつぜん、わたしは わたしのまわりに
 
 そのものを するどく 感ずる
 

 つるぎは しづかであり
 
 つるぎを もつ人は しづかである
 
 すべて ほのほのごとく しづかである
 
 やるか!?
 
 なんどき 斬りこんでくるかわからぬのだ



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