八木重吉
「秋の瞳」

     つら
   貫ぬく 光


 
 はじめに ひかりがありました
 
 ひかりは 哀しかつたのです
 

 
 ひかりは
 
 ありと あらゆるものを
 
 つらぬいて ながれました
                  いき
 あらゆるものに 息を あたへました
 
 にんげんのこころも
 
 ひかりのなかに うまれました
 
 いつまでも いつまでも
                いわわ
 かなしかれと 祝福れながら



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