八木重吉
「秋の瞳」

 
   しづけさ


 
 ある日
 
 もえさかる ほのほに みいでし
 
 きわまりも あらぬ しづけさ
 

 
 ある日
 
 憎しみ もだえ
 
 なげきと かなしみの おもわにみいでし
 
 水の それのごとき 静けさ



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