八木重吉
「秋の瞳」

　
　　　くちばしの黄な　黒い鳥


　
　くちばしの　黄いろい
　
　まつ黒い　鳥であつたつけ
　
　ねちねち　うすら白い　どぶのうへに
　 かご
　籠のなかで　ぎやうつ！　とないてゐたつけ、
　

　
　なにかしら　ほそいほそいものが
　　　　　　　　　　　　　　　 な
　ピンと　すすり哭いてゐるような
　
　そんな　真昼で　あつたつけ


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