八木重吉
「秋の瞳」

 
   稲妻


 
 くらい よる、
 
 ひとりで 稲妻をみた
 
 そして いそいで ペンをとつた
 
 わたしのうちにも
 
 いなづまに似た ひらめきがあるとおもつたので、
 
 しかし だめでした
 
 わたしは たまらなく
 
 歯をくひしばつて つつぷしてしまつた



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