八木重吉
「秋の瞳」

 
   こころの 船出


 
 しづか しづか 真珠の空
 
 ああ ましろき こころのたび
 
 うなそこをひとりゆけば
 
 こころのいろは かぎりなく
 
 ただ こころのいろにながれたり
 
 ああしろく ただしろく
 
 はてしなく ふなでをする
 
 わが身を おほふ 真珠の そら



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