竹久夢二「たそやあんど」

   わか
  若きクラアカへ


 つばき はな       あか
 椿の花よりまだ紅い
        な       をど  こ
 キスを投げつゝ踊り子は
  まく   あなた
 幕の彼方へかくれたり。
 
 さてクラアカはしよんぼりと
  かた  い す     た     え
 堅い椅子から起ちも得ず。
               わす
 したがクラアカ忘れても
  がく や    あ        ゆ
 楽屋へ逢ひには行くまいぞ
  がく や   み          むすめ
 楽屋で見ればたゞの娘ぢや。



BACK戻る 次にNEXT
[竹久夢二] [文車目次]