竹久夢二「夢のふるさと」


 
  みちとせ


 
 あのつめびきのみちとせに
 
 ついつまされてひく障子。
  かげゑ
 影絵のやうな星のそら
 
 港のやうな春のまち。
 
 足にまつはるだてまきの
 
 もつれた帯ならとけもしよが
 
 きれた縁ゆゑせんもなや。