竹久夢二「夢のふるさと」


 
  ふみ


  あんど
 行燈のかげにふみかけば
                とうしん
 身につまされて燈心の
             ひ
 泪ぐみたる灯がゆらぐ
 
 こゝろがらにはあらねども
 
 わすれてたもとついかいて
 
 われとなかるゝ春の宵。