竹久夢二「夢のふるさと」


   
  ねがひ


 
 おうちに屋根がなかつたら
 
 いつも月夜でうれしかろ
 
 あの門番が死んだなら
 
 あの柿とつてたべよもの。
 
 世界に時計がなかつたら
 
 さみしい夜はこまいもの。