えらーい人達 | |
十二人目 山田 一雄(YAMADA, Kazuo) (1912〜1991 日本) |
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東京に生まれ、東京音楽学校(現芸大)でピアノを学ぶ他にクラウス・プリングスハイムに作曲を学ぶ。卒業後同時にピアニストしてデビューするが、じき作曲と指揮でも活動を開始する。直後には新交響楽団(現N響)を指揮したのをきっかけにヨゼフ・ローゼンシュトックに指揮を学び本格的に指揮者としての活動に入っていく。1960年代以降はN響の他に、東京交響楽団、群馬交響楽団、京都市交響楽団、新星日本交響楽団のポストを歴任。1991年神奈川フィルのポストに就任直後に心不全により78歳で没する。海外での客演も多数こなしたが、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチ等々数多くの作品を日本初演し紹介した功績は大きく、とりわけマーラーの交響曲演奏のパイオニアとして大きな存在だった。 |
実演で聴いたのがいまだ忘れられません。記憶に間違いが無ければ1981年(高校生の頃)でした。 (詳細は「こらむ」でも書きました→それを見る) メインはブラームスの第2交響曲。地元大学のアマオケだったのだがそんな事はどうでもよくなる巨匠の凄まじい気迫が棒の先、体中からほとばしるまさに名演でした。僕が今までに接した実演のナンバーワンです。 しかし誠に残念なことに今ではこのマエストロの名前はほとんどかえりみられませんし、CDも実に少ないのが現状です。対してほぼ同年代の朝比奈隆さんの人気は凄まじいものです。ヤマカズさん(皆はそう読んでい ![]() (接した実演でも飛ぶわ、汗飛び散るわ、唸るわ・・そりゃもう・・) こんな事ってまるでバーンスタインみたいですがこれらの点では間違いなくバーンスタイン以上です。 (バーンスタインの実演も接した事があるのでそう言えます) 演奏は理屈よりも情緒的な面が重視されたもので(と言っても一流のプロですから抑えるツボはちゃんと抑えられています。当然ながら)、楽曲にドップリと没入するまさにデモーニッシュなスタイルで、邦人音楽家には非常に少ないタイプと言えると思います。和製フルトヴェングラーなんて揶揄されたのも解ります。 しかしマスメディアが発達した現代では売り物のレコード(今ならCD)が多発されていないと、多くの人の目にはとまり難いものです。その点で言うとこの方が最も得意としたマーラーの交響曲の演奏がCD化されていないのはあまりにも不当です。日本で今の様にマーラー作品が演奏されるようになった草分けなんですから。 |
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亡くなられてもう10年を過ぎますが未だ正当に評価されているとは思えません。たしかに平均的な演奏などしなかった人ですので当たりはずれもあります。しかしその分アタリの時の演奏は凄絶なものでした。今後一つでも多くの音源が世に出され見直されることを心から願いたいと思います。 |
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ブラームス:交響曲第2番(新日本フィルハーモニー交響楽団) | |
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上述の通りヤマカズさんで聴いた名演の同曲が聴ける嬉しさこの上ないディスクです。新日本フィルとのライヴ録音で白熱のブラームスが聴けますが、実演で聴いた時はもっと凄まじいものでした。 |
マーラー:交響曲第8番「一千人」(東京都交響楽団他) | |
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ヤマカズさんの終生のライフワークだったマーラー演奏の最高傑作です。しかしこれほどの超弩級の凄演が初版のLPレコード以来復刻されてことはありません。 限定盤でもいいので絶対にCD化を臨む筆頭の一枚です。 レコード会社に手をあわせるのみ・・・・・ |
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