玉井彰の一言 2002年12月 四国の星ホーム前月翌月

[2002/12/31]  議員無報酬に賛成する(2)

昨日の主張だけでは誤解される可能性があるので、もう一言。政治を職業と考える人に対して政治活動費や生活の保障をする必要性があるので、市町村の議員については2種類の議員、即ち、専従議員とボランティア議員をつくるべきだというのが、従来からの私の主張です(議会費全体としては現状維持ないし圧縮する)。ボランティア議員を認めることで、地方自治が民主主義の小学校となり得ます。専従議員がいることで、審議の質の向上が期待できます。

加えて、現在禁止されている兼職を大幅に認め、地方議員が現職のまま国会議員にチャレンジする可能性にも道を開くべきです。議員が首長選挙にチャレンジして負ければ元の議員に留まることも認めるべきでしょう(ダブル・トリプル選挙の場合には重複立候補を認める)。

現在、国会議員から市町村議員に至るまで、人材不足は目を覆うものがあります。政治の世界へのハードルが高すぎます。衆議院の小選挙区など、私ほど政治に関心のある者でも投票所に行くのが辛くなるような候補者しか出て来ません。

リストラの嵐が吹く昨今です。嵐に向かって突き進む(突き進まざるを得ない)人達がいる反面、多くの国民が安定志向に陥り、しかも、将来への不安に怯えています。国の衰退傾向を食い止めるためには、チャレンジの芽を摘まない工夫があらゆる分野で必要なのではないでしょうか。


[2002/12/30]  議員無報酬に賛成する

小規模自治体への段階補正廃止により、議員は無報酬という事態も考えられます。私は、現状でも議員報酬はなしでいいと思います。その代わり、勤労者が現職のまま議員活動できる条件の整備をすべきだと思います。例えば、議会は夜間・休日に行う等。

議員報酬は小規模自治体に行くほど買収選挙の「原資」になっています。この「原資」がなくなれば、自治への情熱をもった方が登場する余地が出てきます。無報酬だと「名士」や定年退職者による名誉職化も懸念されますが、勤労者が活躍できる環境が整備されれば、かなりの程度改革できると思います。

伊予市の現職19人の職業構成を見ると、農業が10人、会社経営6人?等であり、勤労者はいません。地方では、議員は農家の副業としての意味が強いようです。農家の代表として議員になるのだから、報酬を受け取る「お礼」として地域に還元する義理が発生するのでしょう。

暇な人でないと選挙に出ることは出来ません。私のような零細企業の経営者は、選挙が近くても様々な事務があり、それをこなそうとすると運動をさぼっているようで、支持者に悪いような気がします。結局、家族にしわ寄せが行き、しかも家族は「票を貰っておいてえらそうだ」と言われはしないかと気にするので、気の毒な気がします。家族のためには、早く足を洗いたいと思っています。

私の場合、報酬のかなりの部分が書籍・資料・研修・IT関連等の「自己投資」と広報活動等の政治活動費に充てられています。その意味では、無報酬にしてもらって政務調査費を支給してもらえるのが一番ありがたい話です。ただし、議員を職業としている人への配慮は必要だと思います。伊予市でもその様な方がおり、議会の質を上げていただいています。 


[2002/12/29]  地方交付税の小規模自治体優遇廃止

政府・与党が地方交付税を小規模自治体に手厚く配分することをやめる方向で検討に入ったと報じられています。地方交付税を小規模自治体に手厚く配分する「段階補正」を廃止することが検討されるようです。

小規模自治体への兵糧責めです。これに対抗するには、政権交代を求める動きしかないと思います。しかし、野党でも市町村合併反対論は大きな流れになっていないのが現状です。

効果効率だけの発想に偏重する流れには歯止めを掛けたいものです。


[2002/12/28]  何故50年後か

他地域での合併論議を眺めると、目先のことだけに議論が集中し、10年〜15年先の財政破綻の可能性にすら目を向けないこともあるようです。その頃まで現役でいない人が多いので、気楽な議論になるのでしょう。

合併という地域の運命を決する事柄については、50年位先のことまで展望した議論が行われるべきです。昭和の合併後50年近く経ちます。数十年の歳月を遠い彼方の未来と考えてしまっていいものでしょうか。

平成の市町村合併に関与する者は、合併における「製造物責任」を負担する覚悟を持つべきです。期間は50年(それ以上先は予測を超えるものがあるでしょう)。私が2050年までの人口の推移を検討するのも、そのことを意識するからです。 


[2002/12/27]  人口減少は合併論の根拠となるか

県都から離れた地域では、50年後の人口減少率70%、80%ということも珍しくありません。そうだとすると、やはり今のうちに合併しておかなければならないのでは、という疑問が出てきます。

しかし、単独の自治体であっても減少するのだから、「周辺」になってしまうと、減少のスピードはもっと加速して地域崩壊に直結すると考えるのが合理的です。「中心部」となる自治体でも人口が減少し、その「空きスペース」に周辺部からの人口流入が起こるでしょう(差し引きしてもやはり人口減少となります)。

私は、小さな自治のノウハウを確立することが、人口減少社会での地域社会を維持することに繋がると考えます。ITは、合併論の論拠ともなっていますが、小さな自治を維持する武器としての可能性の方に意義があると思います。

行政サービスが民間委託されれば、多数の自治体のサービスを受託する会社も出てくるでしょう。「自治」とは、住民の意思決定システムだと割り切れば、小さな単位でも充分やれるはずです。

財源・権限・人材を伴わない総務省主導の合併論は、自治とは無縁の、国が統治しやすい単位を創る為の、中央集権加速の論理であり、官僚機構と心中する日本衰退のシナリオだと思います。 


[2002/12/26]  合計特殊出生率

1人の女性が生涯何人の子供を産むかという数値が合計特殊出生率です。2000年の1.36から2007年の1.31まで低下した後は上昇に転じ、2049年には1.39の水準に達すると考えるのが中位の推定です。これより高めに推定するのか、低めに推定するのかで人口予測に幅が出ます。

2050年の日本の人口、1億800万人というのは高位の推定でした。中位の推定では(これが妥当でしょう)1億60万人です(低位の推定だと9200万人です)。

現在、伊予市内でお配りしつつある「玉井あきらレポート2003年1月版no.1」では、2050年の日本の数値を高位推定の数字にしてしまいました。後日、中位推定の数字に訂正します。

なお、昨日記した愛媛県内の都市の推定は、現在より合計特殊出生率が各自治体で0.05上昇することを前提として昨日紹介したホームページのデータベースに当てはめたものです。


[2002/12/25]  人口減少

2050年の我が国の人口は1億800万人(現在1億2700万人)で2割減となります。愛媛県は100万人弱と推定されます(現在149万人ですから3割以上の減)。その時、県都松山市は42万人(現在47万人)。県内のその他の地域の人口を58万人と仮定すると、その他の地域の人口減少は43%という結果が出ます(概数)。

試算すると、新居浜市は12万5千人→6万5千人、今治市11万8千人→6万1千人、宇和島市6万2千人→2万4千人、八幡浜市3万3千人→9千3百人という信じられない結果が出ます。

国立社会保障・人口問題研究所ホームページ内のデーターベースを参考にしました。
http://www1.ipss.go.jp/tohkei/Mainmenu.asp


[2002/12/24]  野党の混乱

保守新党なるものが出来、野党からの難民を収容する受け皿になりました。民主党の混乱も含めて言えば、国会議員でいたいが為のもがき苦しみの表れなのでしょう。

職業政治家を社会的な財産と考え、公職に就いていなくても政治活動(と生活)を援助できるシステムがないと、結局自己保身の為の行動が後を絶たないと思います。

自民党のように権力という強力な接着剤がないことが野党をバラバラにするのです。選挙互助会と割り切ってでも野党の共闘が必要だと思います。倒幕が第一です。


[2002/12/23]  小沢一郎

自由党党首・小沢一郎氏は、政治家として日本NO.1だと思います。その論理は明快です。小泉総理などは、小沢氏と比較すると幕下にすぎないでしょう。四文字熟語を連呼する才能があるにすぎません。しかし、現実の世界は不条理に充ちています。

幕末・明治維新の歴史を見ても、志士の中では見栄えのしない者が維新の元勲として生き残りました。

自民党幕府崩壊の歴史はまだ序章の段階です。これから、誰が維新の元勲となるのかは皆目見当がつきません。

出来れば、小沢氏に平成維新の立役者になって頂きたいと考えています。


[2002/12/22]  岡山県新庄村

岡山県新庄村議会が、「小さくても自主自立をめざす新庄村宣言」を全会一致で決議したと報じられています。鳥取県との県境にある人口1150人の村。明治5年に村が出来て以降、一度も合併していないという強者(つわもの)です。福島県矢祭町と同様、大義なき平成合併への異議申し立てです。

市町村に仕事をやらせるという発想しかできない分権論からすると、国がやらせたい仕事が出来る大きさの自治体こそが好ましい自治の単位であるとの結論になります。

しかし、住民自治という観点から出発すると、住民がまとまりたいと思う範囲が自治の単位ではないでしょうか。


[2002/12/21]  地方分権一括法

平成12年4月に施行された地方分権一括法は、475本の法律改正を伴う大規模な改正だと言われています。主な目的は、住民にとって身近な行政は、できる限り地方が行うこととし、国が地方公共団体の自主性と自立性を十分に確保することとされます。機関委任事務の廃止に伴い、自治体の処理する事務は自治事務と法定受託事務の2つに区分されました。

しかし、仕事が増えただけ、というのが実態ではないでしょうか。第二次大戦後に植民地が独立しても貧しさに変わりがなかったのと同じで、国の地方支配がより巧妙になっただけだと思います。

住民に一番近い基礎自治体(市区町村)が上位機関であるという発想まで進むべきです。国会議員の順列組合せ変更でこの国が根本的に変わることはないと思います。 


[2002/12/19]  東北三県の合併

青森・秋田・岩手三県の合併は面白い企画です。「合併」というだけでは財源・権限の乏しさを感じますが、地方の閉塞感を打破する起爆剤になりうる可能性を秘めています。

現在の我が国の状況は、地方が中央を打倒する気概を持つところにしか活路がありません。民主党のていたらくを見るにつけ、地方が何らかのアクションを起こすべきだと感じます。


[2002/12/18]  議員を使いこなせ

議員と有権者が、選挙の時に、「1票下さい」「あげましょう」というだけの関係では、地域は絶対に良くなりません。

(議員サイドのことはひとまずおいて)有権者の皆さんには、支持した議員を徹底的に使いこなして頂きたいと思います。「今、何を考えているのか」「何をしようとしているのか」「どんな発言をしているのか」等々、揺さぶってみて下さい。議会のあるときに、支持者が傍聴すると議員は緊張します。

緊張感をもった議員生活を4年間送ると、心底疲れます。疲れないのは、余程元気なのか、手を抜いているのか、どちらかではないでしょうか。

私は疲れました。「公務」に縛られたこの4年間は長かった。正直、次はどうしようかと考えました。家庭も犠牲になります。悩んだ結果、再挑戦を決意しました。私に「次」があるのなら、粉骨砕身頑張りたいと思います。疲れない体力も付けたいと思います。


[2002/12/17]  地方議員の選ばれ方

地方議員の選挙については、いささか無知でした。選挙通の話を総合すると、「親」となる人を何十人か、あるいはそれ以上作り、その人達を常日頃大切にして、「いざ鎌倉」に備えるのだそうです。伊予市の選挙で300万円から500万円掛かると言います。お金だけで出る人は1000万円以上。

選挙の期間中、私のように街頭演説をするのは馬鹿だそうです。水面下で全てが決まるのが地方議員(地方小都市)の選挙なのです。

従来型の選挙で選ばれた議員に純粋な活動を期待する方が無理な気がします。

伊予市よりもっと田舎に行くと、選挙は候補者から選挙民への非合法的な富の移転による地域内福祉であって、地域活性化イベントの様相を呈するようです。議員の4年間の総収入以上のお金が使われることも珍しくないのだそうです。

現在の地方が切り捨てられたとしても、誰を恨むということも出来ないのが実情です。


[2002/12/16]  街宣活動の意義

選挙の街宣活動で得票が伸びることはそれほど期待できません(市議選の場合は水面下で勝負が決まっているからです)。私は、選挙だけでなく、平素の街宣もやりたいと考えています。票にならない街宣活動をするのは、半分意地があるからです。

市民の皆さんに今の政治(地方政治が主になりますが)の状況を訴えて一緒に考えて頂きたいと考えています。また、そのことにより政治風土を変えていきたいと思います。


[2002/12/15]  残された任期

私の任期は来年2月5日までとなりました。12月定例議会の本会議があと1回ありますが、それが終わると、4年間の議員の仕事は、ほぼ終了です。

残された任期は、市民の皆さんに私の4年間の活動を報告し、また、皆さんのお声を聞く作業に充てたいと思います。

折込広告の不当拒絶問題も訴えていく考えです。今日は街宣活動をしました。「選挙運動」ではありません。念のため。 


[2002/12/14]  政治家を讃える広告

愛媛の地方紙は、時々勲章をもらったり、役職に就いたりした政治家を讃える広告を掲載します。今日も某政治家の勲章受章を祝う2面の全面広告がありました。

問題なのは、自治体や議会が広告費用を負担していることです。はっきり言って、心からお祝いしたいなどと思う人は余りいないと思います。各自治体も従来国会議員の世話になっているからやむを得ないとの判断なのでしょう。しかし、税金で食っているもの同士の「お手盛り」と言われても仕方がありません。

もっと問題だと思うのは、この地方紙の子会社が、市議会議員が市民に市政の報告をしようと折込を依頼すると拒否することです。国会議員ならペコペコするが、地方議員の活動などは面倒に巻き込まれたくないから拒否しておけということでいいのでしょうか。「タバコ税増税反対」という広告なら紙面に印刷させることとの整合性もないと思います。


[2002/12/13]  自由民主党

自民党は、地方ではまだまだ信頼があります。というよりも、自民党の議員でない者は、ただの「言いたいこと言い」でしかないということです。権力と結びついていない以上、実現性のない議論しか出来ないからです。

自民党は、地方住民の望む豊かさを実現すべく中央からお金をもってきてくれました。田中角栄はその象徴的人物です。

しかし、「原資」が無くなりつつあります。自民党以外のチャンネルを持つ工夫をしないと、地方が切り捨てられる可能性が出てきました。「改革する首相と抵抗勢力」のチャンバラ劇を見ている内に地方経済は崩壊する可能性があります。

中央集権的な地方切り捨て型集約路線に対抗する地方主権的発想に立たないと、結局、「おこぼれ頂戴」型の地方でしかあり得ないことになります。


[2002/12/11]  民主党と自由党

私の街では、民主党も自由党も存在しません(党員はいるのでしょうが)。両党が合流しても0+0=0 の世界です。

しかし、保守=自民党という構図が地方でこのまま持続するかどうかは流動的であると思われます。

分権なき地方切り捨てがこのまま進行すれば、保守の内部でも利害衝突が起こる可能性があります。自民党とは、利益誘導の旗印に過ぎないのですから、看板の書き換えに躊躇する人は余りいないと思います。


[2002/12/10]  車社会と公共交通

車社会を構成するものをマイカーとし、公共交通を構成するものを鉄道、船、路線バス、コミュニティバス等として、飛行機を別枠と考えた場合、公共交通の成り立つ形で車社会の便利さが追求できる方法を考えるべきだと思います。

高齢社会において車社会非対応型の人達が多くなると、安くて便利な公共交通機関が成り立つような発想が必要です。その為には、車社会型の人に若干負担してもらう方向で調整すべきかも知れません。


[2002/12/09]  道路公団民営化

小泉総理が、民営化委員会が多数決で出した最終報告について、「まとまらなかった」と述べているのは見識がなさ過ぎると思います。7人全員が賛成できる案など最初から想定する方がどうかしています。それを期待しているとしたら、それは御用委員会ということになってしまいます。

「まとまらなかった部分を政治で決める」のなら、最初から政治が決めれば良かったのです。

ちなみに、私は民営化反対です。高速道路は国営にして税金で維持すべきだと思います。車社会依存者に税金を掛ければいいのです。トラック輸送とマイカーに課税すれば鉄道をはじめとする公共交通機関とのバランスが取れます。料金所の職員も不要になります。年間5兆円程度の税金を掛ければ40兆円の負債は10年もしないうちになくなります。負債がなくなれば維持補修費分の負担になります。年間5兆円といっても、トラックに重く課税するとして、マイカーは年間数万円位でしょう。大前研一説の具体的内容は忘れましたが、大体こんな発想だったと思います。


[2002/12/06]  一部復旧

更新不能状態が継続していましたが、一部復旧しました。
このコーナーは、頻繁に更新したいと思います。


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