玉井彰の一言 2005年8月 四国の星ホーム前月翌月

[2005/08/29]  年金、増税 

選挙戦が始まると、年金問題などの社会保障制度のあり方がテーマとして浮上し、最終盤は増税問題に焦点が当たる可能性があります。

「民営化 丸と書いたら 大増税」 

以上で選挙前の書き込みは終了。 


[2005/08/28]  賃下げ戦略

「年収300万円時代」ということが話題になって数年。事態は確実にその方向に流れています。厳密には、「年収300万円以下時代」到来です。

「民営化」の話は、賃下げの話であると考えると理解が早くなります。「小泉自民党」の基本戦略の一環です。アメリカ型弱肉強食型の社会受け入れのための基盤整備が「民営化」路線です。 


[2005/08/27]  2大政党の討論か、全政党の討論か

民主党は自民・民主の党首討論を要求していますが、自民党は拒否。他の政党に失礼であるとの理由です。

小選挙区制の下での総選挙が政権選択(総理大臣を選ぶ)選挙であることを考えると、2大政党党首の討論こそ重要です。

全政党の討論会と平行して2大政党の党首討論を行う方法もあります。2大政党の党首討論は是非とも行うべきであると思います。討論に勝つ自信があるのなら。 


[2005/08/27]  いやーな感じ

「刺客」として話題を集めた自民党女性候補たち。女性の共感を得られるかどうか疑問です。

いやな感じを持たれる方が多いのではないでしょか。男女共同参画社会につながる話とは違うだろうということを、多くの方の直感として感じられると思います。

これは、「小泉自民党」のマイナスポイントになると思われます。 


[2005/08/26]  民営化は天下り先確保術

「民営化」という魔法の言葉に幻惑されている方が多いようですが、「天下り先の確保」だということが分かれば、疑問が氷解する面があります。

道路公団を国土交通省に吸収すると、国土交通省の方々はそこには「天下」れなくなります。

郵政事業を民営化すると、総務省の方々の天下り先が増えることになります。

転んでもタダでは起きない人たちの提案です。 


[2005/08/25]  衣の下の鎧 

「郵政民営化」の「アンケート」に○を付けたら、後で増税の請求書がきた、ということにならないよう有権者の皆さんに呼びかけます。

4年間のフリーハンドを与えたら、「後継総理」が選挙を経ないで増税路線に突き進むシナリオが見え隠れしています。

「衣」=郵政の下の「鎧」=サラリーマン増税+消費税増税。

「郵政」は民意を問うが、「増税」は好き勝手路線。 


[2005/08/23]  「民営化」の先にあるもの

国や自治体が行う事業のうち、民営化が適切である事業とそうでない事業があります。

小泉自民党が行おうとしている民営化は、国民の資産の投げ売りであって、国民の利益と国益を損なう愚挙です。

「郵政民営化」の先にあるのは、アメリカ型弱肉強食型社会であって、面白がって小泉自民党に投票する方々は、自らの将来の所得減少と大増税とを覚悟していただかなくてはなりません。4年間フリーハンドなのですから。

「だまされた」と後になって言ってもどうしようもありません。

小泉氏がかつて政権を取るに当たって亀井静香氏とした約束を破り、亀井氏が抗議したとき、小泉氏が言った言葉。

「それがどうした」

国民が抗議しても、帰ってくる言葉は同じです。 


[2005/08/22]  対立軸

今回の総選挙の対立軸は、(ライブドア・堀江氏に代表される東京の一握りの高額所得者+外国資本)VS(一般国民)、(霞ヶ関の官僚機構)VS(地方)、に求めることができます。

「改革を止めるな」という小泉自民党のスローガンは、「外資の活動を邪魔するな」と翻訳できます。

一般国民と地方が勝利できるのかどうか。小泉自民党は、単一論点である「郵政民営化」=「外資に国民の資産を提供せよ」という問題設定をしています。これに対し国民がOKを出せば、日本には「国益」という概念がなくなってしまいます。経済植民地になるということです。 


[2005/08/21]  自民党はなくなった

かつての自民党は、地方重視の政党でした。国土の均衡ある発展の理想を掲げていました。その自民党はなくなりました。

同じ看板を掲げている政党は、「小泉自民党」です。小泉自民党は、東京に住む一握りの高額所得者と外国資本の利便を図ることを目的とした政党です。

「郵政民営化」とは、国内の高額所得者と外国資本が国民の資産340兆円を運用できるようにする政策です。

古い自民党(自民党国内派)を代表する方々は、小泉自民党に「刺客」を差し向けられ、政治的に抹殺されかかっています。


[2005/08/20]  内閣支持率

小泉内閣では、内閣支持率が全てというところがあります。

そしてそれは、映像露出度に比例します。しかも、ワイドショーへの露出度がポイントになります。

この映像露出作戦が9月11日までもつかどうかが問題になります。映像露出度が民主党との関係で相対的に少なくなれば、内閣支持率は低下します。 


[2005/08/19]  東京対地方の戦い

小泉政権4年4ヶ月は、地方斬り捨てに明け暮れました。地方交付税の大幅カット、市町村合併による市町村リストラ。そして、過疎地域に致命傷を与える郵政民営化。

とりわけ犠牲になっているのが愛媛です。愛媛県民1人当たりの平均個人所得は47都道府県中46位、下から2番目です。

踏み付けにされている愛媛の有権者の皆さんに「小泉政権リコール」の声をあげていただきたいと思います。私は、郷土愛媛のために戦います。 


[2005/08/18]  国土の均衡ある発展 

かつての自民党は、「国土の均衡ある発展」の理念を掲げ、これがある程度成功しました。この理念を自民党は放棄しました。

財務省・小泉政権の財政再建路線は、地方と弱者に泣いてもらう路線です。私が考える財政再建路線は、霞ヶ関の官僚諸君に泣いてもらう路線です。

官僚諸君に気の毒な話にはなりません。彼らの能力開発には絶好のチャンスになります。従来の機構では、先例踏襲(先輩への気兼ね)によって創意工夫をする自由を奪われています。彼らは、地方で活躍のチャンスを得、分権国家における地域のグランドデザインを描くことができるようになります。


[2005/08/16]  スターリングラード

小泉自民党の進撃は、ヒトラーのナチスドイツがソ連に攻め込み、モスクワを目指して進撃したときに似ています。

ナポレオンもそうでしたが、モスクワは遠かった。スターリングラード攻防戦では冬将軍がドイツ軍を苦しめ、ドイツ敗戦への転換点となりました。

まだ25日。「郵政」だけで押し切ることは難しい。小泉軍における「スターリングラード」が来ると思います。 


[2005/08/15]  「改革の本丸」は霞ヶ関の官僚機構

財務省は財政再建を地方支出の抑制によって行おうとしています。自分たちのところが痛むことはせず、地方にのみ痛みを押しつけるやり方です。しかし実際は、霞ヶ関の官僚機構を経由するお金の流れに大きな無駄があります。ここに切り込まない改革は似非改革に過ぎません。

財務省は、小泉氏が「郵政」にしか関心がないことに安心しています。「改革の本丸は霞ヶ関」という台詞は、「官僚諸君安心しろ」というメッセージです。霞ヶ関の官僚の皆さんは、小泉という無能宰相に「郵政」というオモチャを与えておけば他の事項に関心を持たず、官僚主導の政治が出来るので喜んでいます。 


[2005/08/14]  挙動不審

森田実氏のHPより) 2005.8.14(その4) 2005年森田実政治日誌[246] 
郵政民営化法案廃案に失望した米国ウォール街だが、再挑戦の構え。日本のマスコミを裏から動かそうとしている 

 ウォール街は世界の経済の支配者である。ウォール街は世界中の富を独占するために、各国の経済を支配しようとしている。そのための基本戦略が「グローバリズム」と「民営化」だ。日本はこのウォール街に踊らされている。
 このウォール街で生活している知人より私の友人に電話があった。以下、友人から聞いた話の内容を紹介する。
《ウォール街は郵政民営化法案の廃案で一時は落胆した。しかし巻き返しを決意した。ウォール街は小泉首相が総選挙で勝てば逆転できると考えている。小泉首相を勝利させるため莫大な広告費を使って日本国民すべてを洗脳する作戦である。武器はテレビだ。
 ウォール街で読まれている新聞にも「日本で巨大民間銀行が生まれる寸前までいったのにつぶされてしまった。惜しかった」という記事が出ている。ところがウォール街は諦めない。ブッシュ大統領を通じて小泉内閣に捲土重来、もう一度挑戦させようとしている。それが衆院解散だ。9.11の選挙に勝てば小泉首相はどんなことでもできる独裁政権になる。いままで自民党と議会を無視してきたのは、小泉独裁をつくるためだ。総選挙で勝てば、自民党も議会も押さえつけることができるようにするためだ。米国政府はそこまで考えて小泉政権をバックアップしている。
 9.11総選挙の勝利のカギを握るのはマスコミとくにテレビだ。NHKは介入できないが民放は小泉支持キャンペーンをやる。すでにやり始めている。 米国政府・ウォール街・小泉政権・電通・民放各社と大新聞社はすべて小泉支持で固まった。巨大な広告費で日本国民をマインドコントロールしてしまえば、総選挙で小泉は大勝する。小泉が大勝すれば、再度郵政民営化法案を提出して成立させ、郵貯・簡保350兆円のフタを開けることが可能になると考えている。とにかく日本のマスコミを動かして日本国民をマインドコントロールして小泉首相を勝たせようという方向へ動いている。》
 日本国民の共有財産である350兆円が米国へ移転するのを阻止するためには、小泉政権を打倒する以外に道はないのである。 

(コメント)

最近のメディアが「挙動不審」であることは、ある程度見識のある方なら分かると思います。

巨額の資金が自由になるはずの「郵政民営化」。ここでなんらかの営業経費を掛けない手はないということは、ビジネスの世界に生きてきた方なら当然分かるはずです。 

「改革の本丸」は霞ヶ関の官僚機構 お名前 玉井彰 2005/08/15(月) 15:06:05 [No 2563] 

財務省は財政再建を地方支出の抑制によって行おうとしています。自分たちのところが痛むことはせず、地方にのみ痛みを押しつけるやり方です。しかし実際は、霞ヶ関の官僚機構を経由するお金の流れに大きな無駄があります。ここに切り込まない改革は似非改革に過ぎません。

財務省は、小泉氏が「郵政」にしか関心がないことに安心しています。「改革の本丸は霞ヶ関」という台詞は、「官僚諸君安心しろ」というメッセージです。霞ヶ関の官僚の皆さんは、小泉という無能宰相に「郵政」というオモチャを与えておけば他の事項に関心を持たず、官僚主導の政治が出来るので喜んでいます。 


[2005/08/13]  あざとい

(ニュース)

自民党執行部が、郵政民営化関連法案に反対票を投じた八代英太・元郵政相に対し、衆院東京12区からの出馬を取りやめるよう求める“事実上の引退勧告”をしていたことが13日、明らかになった。

同区は、公明党の太田昭宏幹事長代行が出馬を予定しており、自民党執行部としては、自公両党の選挙協力を円滑に進めるためには、八代氏と太田氏の対決を避ける必要があると判断したものと見られる。ただ、八代氏はこれを拒否し、無所属で同区から出馬する意向だ。

八代氏によると、党執行部は衆院解散後、立候補取りやめの見返りとして、「八代氏の長女を八代氏の出身地である山梨県内の小選挙区から擁立し、比例選南関東ブロックでも『女性枠』として優遇する」と打診した。だが、八代氏は「政治家の心を何だと思っているのか。正々堂々と選挙で戦って有権者に問う」と反発し、断ったという。

自民、公明両党は2003年の前回衆院選で、太田氏を同区の「統一候補」とし、八代氏は比例東京ブロックに回った。

(コメント)

小泉自民党のあざとい手口には辟易します。我が国の国民性を考えると、気分が悪くなって来る人が増えてきそうな感じです。

郵政賛成派の方々。少し執行部に意見を言ったらどうでしょうか。寄らば大樹の陰。無理かもしれませんけれども。


[2005/08/12]  声の大きい奴が勝つ 

現時点では、自民党内のゴタゴタが視聴率を取り、映像露出度の多さで自民党がリードしているようです。

1ヶ月というのは長い期間です。世論の動向も二転三転する可能性があります。

声の大きい奴が勝つと思っています。大声というのではなく、有権者に届く言葉を発した方が勝つということです。言葉の重みが重要になる選挙です。 


[2005/08/11]  激突

(ニュース)

民主党の岡田克也代表は九日の記者会見で、「何が何でも民主党政権をつくってこの国を変えなければならない。政権を取れなければ代表にとどまるつもりはない」と述べ、今回の衆院選で政権交代を実現できない場合は代表を辞める意向を表明した。 

 小泉純一郎首相が自民、公明両党で過半数を獲得できない場合の退陣を明言しており、政権を競う自民、民主両党の党首が相次いで責任ラインを明示、退路を断って激突することになる。 

 岡田氏はまた、年金一元化など社会保障制度見直しを議論する衆参両院合同会議に関し、「(小泉純一郎首相に)年金改革をやる気がないことがはっきりした。協議の場はなかったことになる」と述べ、合同会議から離脱する考えを明言。衆院選では年金改革を争点の一つとして訴える方針を強調した。 

(コメント)

自民、民主の党首が退路を断っての激突。

負けた政党が崩壊する可能性があります。この審判をするのが有権者の皆さんです。

年金問題は、昨年参院選の大争点でした。国民の関心は人生100年時代の老後の安定です。この課題に答えなかった小泉政権にレッドカードを。 


[2005/08/10]  座布団2枚

今回の解散劇。多くの方々は、小泉劇場の演出に感激し、「座布団2枚!」の心境になられたようです。

しかし、余裕があるのならそういう楽しみ方もあるでしょうが、御自分の足元を眺め、地域や国の将来を真剣に考えれば、そういう観客席での楽しみ方を通すことはできなくなってくると思います。

あと1月。有権者の心境がどう変わってくるのか。「空気」の変化を感じながら街宣をやりたいと思います。 


[2005/08/09]  更新方法の変更

メインパソコンの前に座ることが難しくなりそうなので、選挙事務所から適宜「伝言板」への書き込みで更新します。


[2005/08/08]  人間、勝ちパターンで滅ぶ

申し訳ありません。衆議院解散となりました。私の読み違いでした。

場外乱闘のような選挙に突入しますが、政権交代のまたとないチャンスを活かしたいと思います。

人間、勝ちパターンで滅ぶと言います。小泉純一郎氏没落の始まりです。大衆に訴えて総理となり、大衆に訴えて権力の座を去っていくことになります。

解散は想定外でしたが、こういう局面でワクワクするようでなければ、政治をやる意味はないと思っています。


[2005/08/07]  解散はあるか?

報道機関などは、解散の可能性がかなり高くなったという前提で報道をしています。中曽根弘文参議院議員等が反対に回った、森・前総理の説得も功を奏しなかったなどというニュースを聞くと、「否決→解散」だという結論が見えてきます。

しかし「着地点」から逆に眺めると、「解散はない」という結論になります。

何故なら、「郵政民営化」というのは、小泉氏の特定郵便局への個人的恨みが背景にあるにせよ、アメリカの「年次改革要望書」を実行すべき「日本における支配人」・小泉純一郎氏の責務であって、必ず通さなければならない法案だからです。「属国・日本」の視点です。

解散した場合、「小泉勝利」(党が分裂すると難しい)の場合以外、郵政法案は葬られることになります。「殿ご乱心」でなければ、政治的にあり得ない選択です。政治の世界、様々な「裏技」があります。「解決策」は模索されているでしょう。どうかなと思うのは、最近の自民党「実力者」の力量が落ちているということです。

「解散風」が吹いてくれた方が「仕事」がやりやすいので、歓迎しています。地方斬り捨て政治に痛めつけられた地方の人間としては、「小泉政権リコールの国民投票」にして欲しいと思います。


[2005/08/06]  権力者周辺の情報遮断

権力者には、全ての情報が集まるはずです。ところが実際には、側近が不利な情報を遮断しており、権力者は間違った情報で決断するということがあります。

小泉総理にはどういう情報が入っているのか定かではありませんが、自己に有利な情報に基づいての「解散」発言だと思います。

格差の拡大、地方の冷え込みを充分認識していれば、現時点での解散はできないはずです。

「明智光秀」が出る可能性もあります。解散を決定する閣議で、何人かの閣僚が反対・罷免されれば、その人物はヒーロー(ヒロイン)になります。

「地方斬り捨てに反対」と叫んで小泉政権の閣僚になった人物にとって、「身を捨てて国民無視の解散に反対した」と言えるチャンスになります。


[2005/08/05]  政治家になるには

(天木直人氏のHPより引用)07/29 今日の言葉http://amaki.cc/
天木直人:元駐レバノン国日本国特命全権大使。「さらば外務省」(講談社)、「さらば小泉純一郎」(講談社))、「ウラ読みニッポン」(講談社)などの著書あり。 

この国で政治家になることは・・・

最近つくづく思うことがある。この国では、ひょっとしたらまともな政治家は一人もいないのではないかと。それに比べて、政治に関係しない人達のなかに、どれほど多くの立派な人達がいることかと。

その大きな原因は選挙制度の矛盾から来ているに違いない。どんな立派な人でも、どんなに志が高くても、知名度がなかったり、組織の後ろ盾がないと選挙に勝てない。だから政治家になれない。

その逆に、人格、品性、知性がどんなに不適格であっても、テレビ番組に出まくって知名度をあげたり、二世、三世だという理由だけで、あるいは二大政党のいずれかに属して組織票を頼むだけで、政治家になれたりする。

これが現実であるとすると、そもそも普通の人間が、政治家になってこの国を変えようとすること自体が、壮大な虚妄であることになる。(以下略)

(コメント)

当選する必要条件の内、政治的な見識以外の要素が占める割合が99%だと思います。いや、政治的見識がゼロでも、他の要素がそろっていれば当選できます。

従来、「地盤・カバン・看板」ということが言われました。当選に必要な組織、選挙に必要な資金、選挙区内での知名度です。世襲議員はこの全てを最初から手に入れています。

「二大政党のいずれかに属して」と天木氏が言われるルートについては、それほど毛嫌いされるものでもないと思います。

党に一定の支持基盤があり(地盤)、政党助成金制度のお陰で不十分ながらも資金が提供され(カバン)、党の政策やイメージ(看板)である程度勝負できる環境が整ってきました。

天木氏の場合、二大政党のどちらかの政党に所属することに窮屈な印象を持たれるのだろうと思います。しかし、自民党も民主党もかなりの幅があり、概ね一致していれば同じ政党に所属して活動できます。

よくマスコミで、党内で考え方が一致していないという言い方がなされていますが、むしろ一致しすぎている方が怖いと思います。


[2005/08/04]  「内省型愛国心」

「愛国心」を論ずると、反響があります。誤解を招かないように、きちんと整理していきたいと思います。

私が主張し、広めていこうとしている概念は、「内省型愛国心」です。自国の歴史を顧みる。自国の良い部分、悪い部分をきちんと認識する。その上で、自国の発展のために尽力しようとする気持ちの持ち方を指す概念です。

対する概念は、「攻撃型愛国心」です。安倍晋三氏に代表される、苦労知らずの世襲議員特有の余裕なき保守主義。私が「ピリピリ保守」と名付けている政治的傾向から出発した、敵を求めて非難することでナショナリズムを煽る概念です。

敵を求めない、余裕ある心情としての愛国心。郷土愛の延長線上にある、穏やかな、祖国への愛情を国民が育んでいきたいものです。

「愛国心」が、これを悪用しようとする政治家が絶えない、取り扱い危険物であることも付加しておきます。


[2005/08/04]  「年次改革要望書」

(長い引用になりますが、政治評論家・森田実氏のHPより)
【2005.8.3 2005年森田実政治日誌[222]いまの日本で最も重要な情報を隠す「政府・マスコミ」連合権力
大新聞は、民主党櫻井充参議院議員の「年次改革要望書」に関する質問(8月2日)を、なぜ無視するのか?!
政府、マスコミあげての「年次改革要望書」隠しに抗議する「触らぬ神に祟りなし」(日本の諺)】

<竹中大臣は「年次改革要望書」を「見たこともありません」と言った>

8月2日、秋田市にいたとき、友人から電話が入った。国会中継の状況を伝えてくれたのだ。

「いま、民主党の櫻井議員が『年次改革要望書』について質問している。櫻井氏は『年次改革要望書』の中身を紹介した上で、『民営化というのは米国の意向を受けた改正なのか分からなくなってくる』と発言。これに対して竹中郵政担当大臣は『見たこともありません』と答えた。小泉首相は『それは櫻井さんね、思い過ごし』と答えた。小泉、竹中両氏とも白々しい答弁をしている」。

「年次改革要望書」とは「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」のことである。1993年夏の日米首脳会談(宮沢首相とクリントン大統領)で決まったもので、1994年から毎年一回交換されている。以来、2004年まで、「日本政府の米国政府への年次改革要望書」と「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」が11回交換されてきた。

日本政府の要望書が米国政府によってどう扱われているかについての情報はない。私は、米国政府によって“参考文献”程度の扱いを受けているのではないかと思っている。

しかし、「米政府の日本政府に対する年次改革要望書」は、90年代後半期から今日までの日本の“構造改革”の指針書として扱われている超重要文書である。米国政府の「年次改革要望書」に記されたことのほとんどを、日本政府は実現している。 

「郵政民営化」も米国政府の日本政府に対する要求である。このことは「年次改革要望書」を見れば明らかである。

日本政府は、最近までこの「年次改革要望書」をひた隠しに隠してきたが、情報公開の国である米国の政府は公表している。米国大使館のホームページで見ることができる。

繰り返す。「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」は、日本の構造改革の指導文書である。橋本内閣以後の構造改革は、この「年次改革要望書」に従って行われてきた。小泉首相は、この最も熱心な実行者である。小泉構造改革のバイブルは、「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」なのである。(関岡英之著『拒否できない日本』、文春新書、参照)

竹中大臣が8月2日の国会で「年次改革要望書」について「見たこともありません」と答えたのは、驚くべきことであり、小泉首相が櫻井議員に「思い過ごし」と答えたことも、驚くべき白々しい答弁である。「年次改革要望書」に書かれた米国の要求と郵政民営化法案は大変に似ており、共通している。どう見ても、米国側の要求に従って作成されたものと考えざるを得ないものである。

<大新聞は櫻井議員の質問と「年次改革要望書」を無視>

8月3日付け朝刊各紙(朝日、毎日、読売、産経、日経、東京6紙)の政治欄を見ると、櫻井議員の質問を報道したのは産経1紙だけである。それも、5面総合(15版)右下の「参院郵政特別委質疑要旨」のところで、次のやり取りを紹介しただけである。

《櫻井充氏(民主) 民営化は米国からの要望に配慮したのか。

小泉首相 私は米国が言いだす前から民営化を説いてきた。島国根性は持たない方がいい。》

ここでも「年次改革要望書」という言葉は省略されている。他紙は、櫻井議員の質問そのものを無視した。「年次改革要望書」という言葉はどこにも見当たらない。

今までも「年次改革要望書」という言葉は日本の新聞にはほとんど載っていない。大新聞も雑誌もミニコミまでもが、「年次改革要望書」を頑なに報道することを拒んできた。郵政民営化と米国政府の動きを関連づける報道は一種のタブーになっているのだ。

「背後に大きな力が働いていて、『年次改革要望書』はタブーにされている。もしも少しでも報道するところがあれば、巨大な圧力がかかる。マスコミは“触らぬ神に祟りなし”で逃げている」――という声を、今まで私はマスコミ内部から何回も聞かされてきた。

マスコミは“何か”をおそれ、おののいているように感じられる。「年次改革要望書」の存在を国民が知ったら、小泉政権だけでなく、米国支配層の「ポチ」と化した日本支配層が崩壊すると考えているかのようである。

小泉政権とマスコミの大連合が「年次改革要望書」隠しを行っていることは、ほぼ明らかになっている。「年次改革要望書」の内容が明らかになれば、「小泉首相の執念」の役割の小ささを白日のもとにさらしてしまう。小泉・竹中体制がブッシュ米政権の出先機関に過ぎないことが明らかになる。このことをおそれているように見える。

竹中大臣が、「(年次改革要望書を)見たこともありません」と言ったことは、どう考えてもおかしなことである。これほど重要な文書を見ていなかったというのは、考えられないことだ。とうてい納得できることではない。竹中大臣が言ったことが真実か否か、徹底的に追及しなければならない。

「年次改革要望書」隠しの裏で、巨大な権力の陰謀(日本国民だましの陰謀)がうごめいていると見なければなるまい。

(コメント)

極めて重要な指摘です。我が国が独立国かどうかということが問われる問題です。

このことを議論せずして、対アジアでナショナリズムを煽(あお)る発言をする自民党の政治家とはいったい何なのか。

昔、少年チャンピオンという漫画雑誌に「こまわり君」という自称・少年警察官がいて、ガミガミ指導している姿が大写しで書かれている場面がありました。

ちょっと「画面」を引いたコマが次に来ます。こまわり君の後ろには怖いお兄さんが立っています。こまわり君は、怖いお兄さんには直接意見を言えないので、反対の方を向いて「指導」していたわけです。

今の日本は、「こまわり君」状態なのでしょう。独立の気概こそが、今の日本人に求められています。


[2005/08/03]  受信料不払いと「ええじゃないか」

(ニュース)

NHKは2日、不祥事を理由とする視聴者の受信料支払い拒否・保留の件数は7月末時点で117万1000件になったと発表しました。

昨年7月に発覚した元チーフプロデューサーの番組制作費着服事件から顕著になった受信料不払い。1月末時点で39万7000件、3月末で74万7000件、5月末で97万件と増え続けてきました。今回も約20万件増えており、依然、歯止めがかかっていません。

(コメント)

慶応3〜4年(1867〜68年)、主に江戸以西の各地で起こった大衆的狂乱状態である、「ええじゃないか」の騒動がありました。農村のおかげ参りの伝統から発生したもので、老若男女が「ええじゃないか」と高唱、乱舞し、地主・富商の家に入り込んで物品や酒食を強要しました。

江戸幕府崩壊前夜の社会現象である「ええじゃないか」と、受信料不払いとが妙にダブって見えます。

規範の崩壊。封建秩序の中に閉じこめられていた民衆の感情が、江戸幕府末期の混乱の中で爆発したのが「ええじゃないか」。自民党幕府崩壊前夜の大衆的な規範崩壊としての受信料不払いという社会現象。

従来通りの社会が継続するのだとすれば、不払いはいずれ治まります。しかし、受信料を払うのは当然であるとする規範が崩壊したのだとすれば、不払いは止まりません。NHK批判というのは発端に過ぎないということになります。

受信料を支払うことの根拠が疑われ始めたこと、不払いに対する不利益処分がないこと、皆が赤信号を渡り始めたこと等が規範崩壊の原因と考えられます。

もう1つ。この国の社会規範を支えてきた中産階級が崩壊しつつあることが原因ではないでしょうか。新たな秩序を形成する必要があります。自民党幕府を倒し、新時代を築き上げていきたいと思います。


[2005/08/02]  劇画的政治観

小泉純一郎氏は、解散すると自民党が勝てるという読みをしているそうです。

<改革派>対<抵抗勢力>の図式を国民に直接訴えれば、必ず改革派が勝利するという展望なのです。どうも、劇画の読み過ぎという感じがします。

しかし現実には、「郵政民営化」はアメリカからの「年次改革要望書」を実現するための売国政策であり、<アメリカの植民地に甘んずる売国派>対<国内派(ないしは日本自立派)>の戦いがその本質であって、この点を国民が理解すれば、自民党惨敗ということになります。

<地方斬り捨て・大都市中心型政治>か、<地方の産業と生活を守る政治>かという視点についても、地方有権者に御理解いただきたい。

劇画的な政治観しか持てないナルシシスト(自己陶酔型の人間)に、これ以上この国を荒らされないようにしなけらばなりません。「靖国参拝」を含めた劇画的解散に対抗して、「小泉リコール」の選挙に持ち込みたいと思います。


[2005/08/01]  永岡洋治衆院議員の自殺

自民党亀井派の衆議院議員・永岡洋治氏自殺。

反対であった郵政民営化法案に「賛成」せざるを得なかったというところに、大きなストレスの原因があるように思われます。

政界の裏の部分。闇が深いようにも思えます。脅し、利益誘導、支持者の離反・・・

ストレスの中を歩むのが政治であると言ってしまえばそれまでですが、永岡氏を襲った重圧は大変なものだったのでしょう。合掌。


玉井彰の一言 2005年8月 四国の星ホーム前月翌月