玉井彰の一言 2008年1月 四国の星ホーム一言目次前月翌月

2008/1/31(木) 中国製餃子に殺虫剤・・何を食べればいいのか

食の安全に対する脅威という範疇を超えています。故意の犯罪行為なのか、違法な農薬使用の結果なのか。

中国の食材に対する信頼は近年失われていましたが、これが崩壊という段階に進みました。

【中国産ギョーザ:どこで殺虫剤混入? 中国での包装段階か】(毎日)
売り場から撤去された中国産ギョーザ=北九州市小倉北区のエフコープ黒原店で2008年1月30日午後6時57分、上入来尚撮影 中国産ギョーザによる中毒事件で、有機リン系殺虫剤のメタミドホスは、どこで混入したのか。10人の被害者が出た千葉、兵庫両県警の調べでは、問題のギョーザの包装紙には穴などはなかった。商品の外側から注射針などを使って混入した可能性は低く、中国での生産段階で入ったと考えるのが自然だ。

推定できるのは、▽原料である野菜などにもともと残留農薬として付着していた▽工場での製造過程で入った−−の2ケースだ。農林水産省によると、メタミドホスは、加熱調理することで分解され毒性も弱くなる。ギョーザは冷凍前に加熱処理されており、残留農薬の可能性は低いとみられる。

工場での製造過程での混入の可能性が高いが、厚生労働省の担当者は「限られた商品で被害が出ていることを考えると、個々の商品になる直前に混入したのではないか」とみる。両県警の捜査では、メタミドホスは商品のパッケージから検出されている。この担当者は「包装段階が最もあり得る」と話している。

【製造やこん包の段階で混入か】(NHK・HP)
去年12月28日からことし1月22日にかけて、中国から輸入された冷凍ギョーザを食べた千葉県と兵庫県の3つの家族の男女10人が下痢やおう吐などの中毒症状を訴え、このうち5歳の女の子が、一時、意識不明の重体になりました。問題の冷凍ギョーザは、中国・河北省の天洋食品が製造し、東京・品川区の「ジェイティフーズ」が東京・港区の商社「双日食料」を介して輸入、全国の生協やスーパーなどで販売されたもので、「CO・OP手作り餃子40個560g」と「中華deごちそうひとくち餃子」の2種類です。

警察が鑑定を行った結果、千葉県市川市では被害者が食べて吐き出したギョーザやギョーザの入っていた袋から有機リン系の殺虫剤の成分「メタミドホス」が検出されたほか、兵庫県高砂市でもギョーザの袋から同じ成分が検出されました。「メタミドホス」は毒性が強く、体重50キロの人でおよそ1.5グラムが体内に入ると死に至るおそれがあるということです。

これまでの調べで、ギョーザの入っていた袋に意図的に穴が開けられた形跡がないことなどから、警察では、中国の工場で製造し、こん包する段階で殺虫剤の成分が混入したものとみて、被害者が食べ残していたギョーザの精密な鑑定を行うなど解明を進めています。

【コメント】
中国では、環境問題が原因で年間75万人が死亡しているという報告もあります。そういう国とお付き合いしているのだという認識は必要です。

少なくとも、この問題の原因は徹底究明が必要です。

予防方法はどうあるべきか。これが問題になってきますが、徹底的に対策を講じるとすれば、相当難しいことになるでしょう。

食品流通関係の混乱は必至です。中国が、少なくとも食品関係では、全く信頼できない国であるということになりました。


2008/1/30(水) 「年金、全額税法式も議論」・・首相発言の真意

社会保障国民会議の初会合で、福田首相が年金の財源について、基礎年金について税法式への転換という議論もあると述べたことは重要です。

【「年金、全額税方式も議論」社会保障国民会議で首相】(読売)
福田首相が施政方針演説で設置を表明した「社会保障国民会議」(座長=吉川洋東大教授)は29日、首相官邸で初会合を開いた。

冒頭のあいさつで福田首相は年金の財源問題について「(基礎年金を)税方式へ転換するという議論もある」と述べ、全額税方式の導入も議論の対象とする考えを示した。国民会議は、6月に中間報告、今秋に最終報告を取りまとめる。

全額税方式は、基礎年金(国民年金)部分の給付を、すべて税金でまかなう制度で、社会保険方式を採用する現在の公的年金制度を根本から変えることになる。民主党が主張する年金制度改革も、全額税方式を採用しており、首相としては同党との協議に含みを持たせた形だ。

ただ、全額税方式は、新たに15兆円程度の財源が必要とされ、導入を目指す場合は、消費税率の引き上げなど財源確保の問題が最大の課題になりそうだ。

会合後、記者会見した吉川座長は「(税方式か社会保険方式かは)最後は国民の選択だ。ただ、それぞれの実務的な問題点も、会議で議論していくために理解しなければいけない」と述べた。

初会合では、国民会議の下に「所得確保・保障」(雇用・年金問題)、「サービス保障」(医療・介護・福祉問題)、「持続可能な社会の構築」(少子化・仕事と生活の調和問題)の3分科会を2月に設置し、具体的な議論を進めることも決めた。

【コメント】
「100年安心」という触れ込みだった現行制度は、早晩破綻します。先手を打って「税法式」への転換を模索しようという狙いが透けて見えます。

基礎年金部分について全額税金を投入するというのは、民主党がマニフェストに掲げてきた政策です。「1階」の基礎年金部分は税金で賄うべきですが、「2階部分」については民間で運営可能であり、民営化するのが合理的です。

首相発言の裏を探れば、消費税値上げへの伏線であることが読みとれます。増税なしの国家運営が困難であるという霞ヶ関の論理を前提として、政府も与党もマスコミも動いています。

国家経営上の暗部(特別会計や独立法人等々)が露呈されつつある現在、国家のリストラなしに増税論議に踏み込むのは愚策です。


2008/1/29(火) 「埋蔵金」は96兆円・・民主党・細野氏の試算

1年間の国家予算を超える「埋蔵金」が霞ヶ関にはあるというお話。特別会計その他の「官僚のポケット」を総点検しない限り、増税論議などすべきではありません。

【霞が関埋蔵金:「試算は96兆円」…予算委で民主・細野氏】(毎日) 
民主党の細野豪志氏は28日の衆院予算委員会で、「霞が関埋蔵金」と呼ばれる特別会計の積立金など余剰資金の総額が約96兆円に上るとする試算を公表し、有効活用を求めた。特別会計や、独立行政法人などの資産から負債を引いた額が「埋蔵金」に当たると主張した。

細野氏によると、特別会計の余剰金は68兆円(06年度末現在)で、赤字の特別会計と年金や厚生保険、国債整理基金を除いた16特別会計の財務諸表の資産から負債を差し引いた。また、103独立行政法人の余剰金は16兆7000億円(06年4月1日現在)、独立行政法人の関連会社と公益法人の余剰金は11兆1000億円(06年10月現在)という。

これに対し、福田康夫首相は「特別会計の積立金にはそれぞれの目的がある。無駄があるとは理解していない」としたうえで、「可能な限り財政健全化を図るという観点から、目を見張らしていかなければならない」と述べた

【コメント】
道路特定財源が官僚達のレジャーに使われていたというニュースもありました。彼らにとって税金は、国民から預かった金というより、自由に使える自分たちのポケットマネーという意識なのだろうと思います。

特定財源という利権を、彼らが易々と手放すはずはありません。暫定税率を2ヶ月延長する「つなぎ法案」が提出されます。あらゆる手を使って利権確保に走るでしょう。

特定財源の不自然さが究明されるとともに、特別会計や独立行政法人といった官僚達の利権に光が当たってくることで、この国が真の国民主権国家ではないという実相が明らかになってきます。

参議院で野党優位という状況を活かし、巨大な粉飾構造にメスを入れるべきときです。


2008/1/28(月) 橋下氏の当選・・知名度には勝てない

八戸市の藤川優里さんという、若くて女優のような美貌の市議会議員が注目されています。この方が少し努力されれば、何者も太刀打ちできないであろうと思います。

大阪府知事選挙で、弁護士でタレントの橋下徹氏が当選。抜群の知名度が勝因です。タレント知事は横山ノックでこりごりかと思っていたら、またもやタレント知事。

大阪ってこんなもんかという声も聞かれます。ただ、橋下氏の場合、弁護士でもあり、若干の知性があることに加えて、本音の議論を展開してきたことが有権者にアピールしたということは言えるでしょう。

問題はこれから。破綻寸前の大阪府を立て直す手腕が問われます。弁護士だけに、破産管財人として乗り込む気概があれば、何事かをなし得るかもしれません。

それにしても、知名度には勝てない。これが政治の現実です。


2008/1/27(日) 四国観光検定・・「観光達人」になりました

昨年12月9日に行われた第2回四国観光検定を受験し合格。「四国観光達人認定証」をいただきました。

試験は、総合問題が20問、各県別の問題が22問ずつ、計108問で75問以上正解で合格となります。ただし、各分野毎に50%以上の正解率を確保していなければ不合格となります。

4つの枝から1つを選ぶ形式です。やってみると、なかなか難しく、正解の枝を絞りきれないのが40問くらいありました。

公式テキストブックが販売されており、それ以外からは出題されないので、勉強はしやすいと思います。テキストを3回精読すれば受かります。甘く見ると痛い目に遭います。

面白い企画です。四国のことをあまりにも知らなさすぎました。これを契機に四国のことをもっと知りたいと思います。試験に合格したとはいっても、「達人」とは言い難い状況です。


2008/1/26(土) 大江康弘氏は辞職すべきである・・・比例区での当選とは何か

民主党の大江康弘参院議員がガソリンの暫定税率維持を主張して、民主党批判を強めています。

しかし、彼が国会議員であることの根拠を考えれば、無軌道な行為であると言わざるを得ません。

【歳入法案 菅民主代表代行「造反なら議員辞職必要」】(産経)
民主党の菅直人代表代行は24日の記者会見で、道路特定財源の暫定税率維持を求める総決起大会に出席した同党の大江康弘参院議員(比例代表)について「国民に対する裏切り」などと強く非難した。また、「民主党への支持の中で当選したのだから、有権者に対してきちんとけじめを付けて筋の通った行動をとる必要がある」とも述べ、党の方針に逆らって暫定税率維持を含む歳入関連法案の参院採決で造反する場合には、議員辞職すべきだとの考えを示した。

民主党は暫定税率を撤廃する方針で与党との対決姿勢を強めているが、大江氏は大会で「国民に迷惑を掛ける政党は生活者優先の政党ではない」などと党の方針を公然と批判していた。

【コメント】
国政選挙において党の公認候補というのは、有権者の政治家個人への信任という要素と、党に対する信頼と期待という側面とがあります。

個人名を書いてもらって当選する選挙区の候補であれば、自分の名前を書いてくれた票が対立候補を上回ったから当選できたという面があります。それでも、その票は候補者の所属する政党への信頼があって得られているということを忘れてはなりません。

ましてや比例区の場合、候補者の名前が書かれている票数は、本来当選に必要な票数を大きく下回ります。政党名を書いた多くの有権者の票に支えられての当選です。

比例区で投じられた個人名の票は、党内順位確定の指標となるだけであり、比例区の議員は政党に投票した有権者を裏切ることは、少なくとも道義的には許されません。

大江氏が政治家としての筋を通したければ、一旦議員辞職をして次の選挙(衆院選ないしは参院選)で信を問うという形にならざるを得ません。

民主党を離党して無所属あるいは自民党に鞍替えというのは、選挙時に背負った党の看板を毀損するものであり、「所属政党の偽装」と言われても仕方がありません。


2008/1/25(金) 暫定税率維持は環境のため・・落ち目政権の屁理屈

政府・与党が珍妙な論理を編み出しました。ガソリン税の暫定税率は環境のために維持すべきだというものです。

典型的な屁理屈です。

【ガソリン税:首相ら「温暖化対策」強調…野党は反発】(毎日)
ガソリンにかかる揮発油税の暫定税率を維持する根拠として、福田康夫首相ら政府・与党幹部が「地球温暖化対策」の側面をことさらに強調している。暫定税率の期限が切れる3月末までに税制改正関連法案が成立しなければ、ガソリン価格が1リットルあたり25円下がり、車の利用が増えて二酸化炭素(CO2)排出量も増加するとの論法だ。7月に北海道洞爺湖サミットを控え地球環境問題を「錦の御旗(みはた)」としたい思惑だが、野党は「論理のすりかえ」と反発している。

暫定税率廃止を主張する民主党に対抗して政府・与党が「地球環境のためにもガソリン値下げ反対」との論法にシフトしたのは今月15日。福田首相は記者会見で「環境問題を考えた場合、ガソリンは安い方がいいんだということで簡単に済むかどうか」と疑問を呈した。「これからサミットが開かれるときにガソリンの値段を下げて、環境問題に熱心に取り組んでいると見られるか」(町村信孝官房長官)と、北海道洞爺湖サミットに絡めて税率維持を強調する発言が政府・与党から相次いでいる。

政府がこの主張の根拠とするのが、独立行政法人「国立環境研究所」の研究チームが昨年10月にまとめた試算だ。同試算ではガソリンと軽油の税率を元に戻した場合、二酸化炭素排出量は、08〜12年に年平均約800万トン増加し、「京都議定書の(目標)達成をさらに困難にする」と指摘している。政府はこれに、日本のガソリン価格は先進国に比べて安いと合わせ技で主張。税額の割合も、英独で6割を超えるのに対し日本は約4割であることから、原油高騰で値上がりしたとはいえ、許容範囲と強調する。

「地球環境」を大義名分に世論対策を進めようとする政府・与党の戦術に野党は反発している。民主党の菅直人代表代行は24日の記者会見で「首相が『環境に対する税金』と位置付けるなら、道路特定財源をやめて、環境にプラスになる税に提案し直さないと矛盾する」と指摘。暫定税率に環境対策の意味合いをこめる以上は「環境税」を創設すべきだと反論した。同党の古川元久氏も21日の衆院本会議で「道路整備のための税を法改正せずに環境目的に振り替えるのは納税者をあざむくこと」と首相を追及した。自民党内でも環境税の議論は浮上しているものの、08年度の導入は極めて困難なのが実情だ。

【コメント】
お為ごかしとでも言えばいいのでしょうか。ガソリン代を下げると車がドンドン走る。それは環境によくない。だから、ガソリン代を高いまま維持することは環境にやさしい政策である・・

しかし、暫定税率を維持して得られる税収は道路建設に充てるというのですから、首を傾げます。道路を造るというのとは、車に走ってくれということですから、環境のためでないことは明白です。しかも、道路建設自体が環境破壊要因にもなります。

二世三世だらけで、知恵も回りかねるようになった落ち目の公家政権。こんな理屈しか浮かばなくなったこと自体が落日を証明するものに他なりません。


2008/1/24(木) 暫定税率廃止と地方の予算・・予算が「人質」に取られた

ガソリンの暫定税率を廃止すると地方は困る。このキャンペーンが展開されています。首都圏の首長も参加してきました。

【世論争奪「ガソリン国会」 自・民、非難ヒートアップ】(朝日)
23日、ガソリン税の暫定税率延長を盛り込んだ関連法案が衆院に提出され、民主党が銘打った「ガソリン値下げ国会」の攻防が幕を開けた。 

国会近くの憲政記念館にこの日、民主党系19人を含む44都道府県議450人が集結した。道路特定財源堅持を求める都道府県議総決起大会。暫定税率維持を世論にアピールし、対民主党包囲網づくりをめざす自民党の地方議員たちが催した。 

主役は、与党幹部の横に並んだ民主党参院議員だった。党の方針に公然と反旗を翻したのは大江康弘、渡辺秀央、山下八洲夫各氏。「バカなポピュリズムに乗じて党利党略的なことをすると信じたくない。民主党の心ある方の方針を聞かせてほしい」と自民党の伊吹文明幹事長から促され、大江氏はこう訴えた。「この場の空気や熱意が伝わらないようであれば、我が党はKY(空気が読めない)だ。地方に住む我々にとって、生活とは道路なんだ」 

国際貢献のあり方が問われた補給支援特別措置法と異なり、争点は「ガソリン代」か「道路」か。生活に身近で、世論の動きが攻防の行方を左右する。与党は、道路整備を求める「地方」の声を引き出し、民主党はそれに抗する政党だとアピールする戦略だ。大会に出た自民党衆院議員の一人は「この集会は効果的だ。民主党に響くだろう」と自信をみせた。 

中央省庁も連動している。総務省は自治体ごとに暫定税率撤廃による減収額の試算リストをまとめ、与党はこれをもとに首長や地方議員に揺さぶりをかける。民主党推薦で当選したばかりの大阪市の平松邦夫市長は23日の記者会見で「廃止されれば巨額のお金が市予算から消え、予算編成が宙に浮く」と語った。 

民主党も手をこまぬいてはいない。23日の総務部門会議では、党の暫定税率撤廃に伴う財源案に会見で疑問を投げかけた総務省の滝野欣弥事務次官の発言を取り上げ、省幹部を「民主党案をおとしめるデマゴーグだ」とつるし上げた。 

「今日の大会は与党、官僚一体の『偽装』だ。各県で道路維持の『偽装集会』がある。同じ時間に対抗して集会や街頭演説をやってほしい」。国会対策の会議では幹部がこう指示した。 

論戦は始まったばかりで、民意がどちらにつくかは判然としない。宣伝合戦に終始して本質論は置き去りにされ、双方が見放されることを懸念する声も出始めた。 

「国民は『ガソリンか道路か』を超える第三の道を与野党で知恵を出して見いだすことを求めている。愚直に応えるべきだ」(自民党の中川秀直元幹事長) 

「冷静な議論が必要だ。特定財源ができて54年、まだ道路が最優先なのか。まず一般財源化という発想もある」(民主党の鳩山由紀夫幹事長) 

【コメント】
要は、現行制度を前提に成り立っている予算のあり方に手を付ける意思がないという宣言です。

ひとつ何かを変えれば全部に影響します。それを考えて対処するのが、政治・行政の仕事です。1条の法律が改正されるだけでも他の法規への変更に目を配るのが官僚の仕事です。当然ながら、国会議員の仕事でもあります。

ところが、その努力をすることなく、「困るぞ、困るぞ」と脅してくるやり方は、余りにも卑怯です。

地方の財源を人質にとっての抵抗。なんとかするのが政府の責任です。一案しか持ち合わせていないということは、イコール無能の証(あかし)です。いや、無責任と不誠実の証です。


2008/1/23(水) 小沢一郎氏がお行儀をよくしないと民主党政権はない

小沢・民主党代表が新テロ特措法を衆議院で再可決したときに本会議場にいなかったという問題その他、議会を軽視しすぎているのではないかという批判が沸き上がっています。

私には、燕や雀の鳴き声に聞こえて仕方がありません。小沢一郎を支持し、あるいは選挙区で1票を投じた有権者は、小沢一郎が採決時に立ったり座ったりすることを期待しているわけではなく、国政を大きく動かすために舞台装置をつくったり、その演出をすることを期待しています。

陣笠議員と同様に規矩準縄の枠に無理矢理はめ込むことで、小沢一郎という政治家が死んでしまうことを恐れているのだと思います。

そうは言っても、選挙で勝たなければ何も動かないということは、小沢氏が常々檄を飛ばしているところであって、そうであるが故に、笑いたくもないのに笑顔を振りまいているのだろうと推測します。

党のイメージを背負う存在であるが故に、お行儀をよくする必要があります。微妙な情勢です。お行儀が悪くて女性に振られる男性は世の中に数多くいます。党首のお行儀が理由で国民に振られ、政権奪取に失敗することだけは避けていただきたい。

≪独言≫
20日の雪は愛媛県東予と香川県に交通渋滞や雪による多くの事故をもたらしました。

我が社のタクシーが高松・屋島を出発したのが20日午後4時30分頃。会社(伊予市)に帰還したのが翌日午後1時40分。雪に弱い地域ではあります。

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ずーっと輝こうライブの「管理人の日記」も、手づくり交流市場・町家に寄れる日は、更新しています。音楽をテーマにした雑記です。

ずーっと輝こうライブ in 町家】(私が「管理人」です)


2008/1/22(火) 民主党の政策はカタログ販売?・・伊吹幹事長の発言

自民党・伊吹文明幹事長がこのところ、「民主党の政策はカタログ販売。誰も商品を手に取ってみたことがない。自民党は政府を預かっているから、偽物でない公約をする。」として、与党の強みをことさらに強調しています。

このフレーズがお気に入りのようで、テレビで連呼し、代表質問でも声高に強調していました。

通信販売を馬鹿にした発言であることはさておき、「偽物ではない公約をする」とはよく言ったものだと感心します。

年金記録問題について昨年の参院選前に政府・与党は、「今後1年間ですべての統合を完了させる」とし、「最後の1人までチェックして年金を支払う」としていました。それが、昨年暮れにはできないことが明白になりました。

そのことは、もう忘れてしまったのでしょうか。民主党の「カタログ」を語る前に、与党の健忘症をどうにかしてもらいたいものです。

伊吹発言は、政府・与党の信用低下に拍車を掛けるだけではないでしょうか。


2008/1/21(月) 政策組織「せんたく」は、政治変革の「核」となるか

坂本龍馬が「日本を洗濯する」と言ったとか言わなかったとか。そこから引っかけたネーミングでしょう。

これが政治変革、あるいは政界再編における「核」になるのでしょうか。

【政策組織「せんたく」発足 知事ら「超党派議連を」】(朝日)
知事や学者、財界人らによる運動組織「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(せんたく)が20日、発足した。発起人代表の北川正恭前三重県知事は東京都内での記者会見で、超党派の議員連合発足を呼びかけるとともに、相当数の議員が参加する見通しを示した。議員らとの政策協議で一致すれば法案化し、一致できなければそれぞれが自身の政党のマニフェスト(政権公約)に反映させて、次の総選挙を政策を軸とした政権選択選挙にしたいとの考えを表明した。

会見には北川氏と、発起人の松沢成文神奈川県知事、東国原英夫宮崎県知事ら8人が出席。衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」で問題先送りやバラマキが起きているなどと懸念を表明。一方で、昨年表面化した大連立の動きを念頭に「二大政党のリーダーが国民に言うことと実際にやることが全く違う。政局に明け暮れているだけのように思う」(松沢氏)などと政権公約を軽視した動きを批判した。 

そのうえで、北川氏は議員連合発足を呼びかける理由について、「院内(国会)の議論は各党の立場を背負わざるを得ない。超党派の協議の場を用意する必要がある。議論の結果、意見集約できるものは法案にまとめていただく」と、与野党が一致点を探る場にしたいとの考えを示した。さらに、「議論がかみ合わない場合、マニフェストに政策を掲げて政権選択の選挙をやっていただきたい」と語った。 

論議する政策については「消費税をはじめ税制論議は避けて通れない」(北川氏)、「最大のテーマは分権改革」(松沢氏)などと語った。 

国会議員の参加について、北川氏は「相当な感触を得ている」と述べたが、総選挙で特定の候補者を擁立・推薦する考えはないと説明した。 

発起人には3氏のほか、首長では山田啓二京都府知事、古川康佐賀県知事ら、財界・労働界では池田守男資生堂相談役、茂木友三郎キッコーマン会長、古賀伸明連合事務局長ら、学識者では佐々木毅前東大総長らが就いた。 

【コメント】
自民党は賞味期限切れだが、民主党も軸がブレている。そういう苛立ちが各方面にあるのではないでしょうか。とりわけ、地方の現実に直面し、絶えず決断を迫られる自治体の首長にはそうした傾向があるように思われます。

我が国の政治は、グローバル化に対応した「改革」を断行するという時代の要請と、疲弊する地方を豊かにするプログラムを提示する必要性との間を揺れ動いています。

小泉純一郎氏が無自覚に連呼した「改革」とは、才能ある人が創意工夫により豊かになることで、国全体としての富を最大化する取り組みでした。

最大化された富は、時間のギャップはあるにせよ、一般の人にも配分されていくであろうと考えるわけです。そのためには、無駄な規制を撤廃しなければならないという理屈になります。

実はこの話は絵空事であって、グローバル化すれば賃金が世界の最低水準に引っ張られ、格差が拡大する方向に作用します。我が国のようにノブレスオブリージュ(高貴なるものの責任)が自覚されない社会では、ホリエモンのような俗物しか出てきません。

そうだとすれば、政治が最低水準を引き上げなければ、国民の暮らしを守ることは不可能であるということになります。

しかも、これまで分厚い中間層を有し、安定した社会のモデルを半ば実現してきた我が国においては、「痛み」が我慢の限界を超えたものになっています。

「改革」を実行しつつ、「豊かさ」を実現する。そのための政策提言であれば、耳を傾けたいと思います。

ただし、それが政治変革ないしは政界再編の「核」となるかどうかは不明です。現実の政界がジグソーパズルの状態であり、「絵」を完成させるには選挙の現実が複雑すぎるからです。

これを解決しようとすれば、300小選挙区を睨んだ高度の選挙戦略が必要になります。歴史の流れに追い遣られようとしている自民党にそれを期待することはできない話であり、民主党がそれをやらなければならないのですが、小沢一郎氏を含め、これができる人材がいないところに問題があります。

より適切に表現すれば、人材がいないというよりも、そうした「発想」がないというべきでしょう。選挙を一回一回でしかとらえることができず、常に「最終決戦」を叫んで「Z旗」を掲げる太平洋戦争時の連合艦隊方式では、「ラッキーパンチ」の勝利しかあり得ないように思います。その点、「クリンチ」の上手な自民党に一日の長があります。

≪独言≫
私が負けると分かっている愛媛1区にこだわったのは、愛媛である種の戦略を実行したかったからです。

それは、「バントで送ってヒットで返せ」という単純なものでした。全ての総支部長が当選を目指すのではなく、「エースアタッカー」に「トス」を送る人物を地域に1人2人つくっておけば、自民党王国と言えども風穴を開けることが可能であるという発想でした。

在任期間が2年と短かったために実現できませんでしたが、そういう視点を持ち得ただけでも納得のいく期間でした。


2008/1/20(日) 人生100年時代における「予習」の必要性・・50歳は35歳!

人生100年時代を迎え、年齢感の変更が迫られています。60歳、70歳の区切りを迎えられる方々から「もう年だ」という台詞が出てくるのを耳にします。

しかし、あと10年もすれば、「年寄りのふりをするな!」という罵声が飛んでくるでしょう。

超高齢社会においては、「上には上」が沢山いるので、「高齢者」概念も変更を余儀なくされます。65歳の方が上から数えて何番目の年寄りか、ということを考えれば分かる話です。

上から数えて3000万人目などという「順位」の人が、年寄りのふりをしても仕方がないのです。60代、70代には頑張ってもらわなければ、社会が維持できません。それより若年者、「若手」と言われている人たちには、当分の間「若手」でいてもらわないといけません。

しかも、現在の栄養状態と医療水準を考えると、不慮の事故や大病に冒されない限り、80歳、90歳の人生が待っています。

その年代を生き抜く構想力が必要とされます。人生100年時代。高齢者になるための「予習」が不可欠です。

少なくとも、年齢についてのイメージは変更しておく必要があります。暦の年齢×0.7。即ち、100歳なら70歳、70歳なら49歳、50歳なら35歳。こんなところでしょうか。

ずーっと輝こうライブ in 町家】(私が「管理人」です)


2008/1/19(土) 人生100年・・ずーっと輝こう!

人生100年時代をどう生きるか。これもこのブログのテーマです。

私が役員をやっている(株)まちづくり郡中が伊予市から委託を受けている<手づくり交流市場「町家」>で、昨年より「ずーっと輝こうライブ」を行っています。

年を重ねるということは避けて通れないことですが、いつまでも輝きを失わない人生でありたいという希望を持って生きていきたいものです。自分の好きなもの、夢中になれることをずっと大切にしたい。年齢や肩書きにとらわれず、音楽という趣味で集うことができれば・・・。

そうした願いを込めて、このライブを発展させていきたいと考えています。

ホームページを建設中。私が「管理人」として日記を書いています。

ずーっと輝こうライブ in 町家


2008/1/18(金) 自民党の「生活重視」・・・「燃費」が最大の問題

自民党大会で、「生活重視」に路線転換が図られました。出し遅れた証文と言うべきで、国民の支持が戻ってくるかはいささか疑問です。

これで民主党と同じになったのであれば、それなりの評価をしてもよいのでしょうが、そうでないところに自民党の致命的な欠陥があります。

【自民党大会:「生活重視」へ政策路線を一変 参院選を反省】(毎日) 
自民党は17日の党大会で、福田康夫首相(党総裁)が「徹底的に国民の立場に立つ政治を貫徹する」と宣言し、安倍晋三前総裁の「美しい国」から「生活重視」へ政策路線を一変させた。理念偏重で惨敗した参院選を反省し、18日から始まる通常国会の論戦では「国民の生活が第一」を掲げる民主党と国民生活に身近な政策で競う構えだ。ただ、ガソリン税の暫定税率や年金記録問題など難問が山積しており、内閣支持率が低迷する現状を打開するのは容易でない。

「国民の中に入り、国民の声に耳を傾け、国民の自民党に対するまだ消えぬ期待の炎を、燃え盛る支持と支援の炎に変えていく」

首相は演説で生活重視をテコに党再生にかける決意を強調した。

運動方針は、重点政策の上位に格差是正や農業政策などを掲げた。起草した党幹部は「昨年の方針は新憲法制定など国家理念が前面に出て、農業など身近な問題が隅に追いやられたと国民に受け止められた」と路線転換の理由を説明する。

政府・与党はすでにコメの備蓄を100万トンまで積み増す緊急対策や、高齢者医療の負担増凍結など、対策の具体化を進めている。加藤紘一元幹事長は記者団に「安倍前首相からガラッと変わって、理念より生活と言ったのはよかった。去年こうなっていたら、参院選でここまで負けなかった」と指摘した。

生活重視への転換は公明党も歓迎だ。「大リーグのイチロー選手は1番バッターも3番バッターもできる。公明党も政策実現の1番バッター、時にはちょっと3番を打つこともあるという戦いを展開していきたい」。太田昭宏代表は来賓あいさつで、こう強調した。

しかし、焦点となるガソリン税の暫定税率問題では、撤廃を主張する民主党が「1リットル当たり約25円安くなる」と宣伝に力を入れる。与党内には「地方は車で移動するから、5年、10年先の道路よりガソリン代の値下げを選ぶ」(幹部)との危機感も強い。民主党と同じ「生活」対決の土俵に乗ることで、窮地に追い込まれる可能性もある。

【コメント】
自民党政治を車に喩えれば、「燃費の悪すぎる車」です。

国家財政が逼迫する中で自民党が「生活重視」の政治を行うということは、理念なきバラマキ政治の復活を意味します。いずれ「付け」は国民に回ってきます。

そうならない「生活重視」の政治が求められています。

自民党が地方への予算配分を増やすと、住民より先に中間搾取団体が潤う仕組みがあります。この仕組みを取り除かないと、税金で自民党の選挙母体を潤すという以上の効果は期待できません。

中央集権の仕組みを改め、地方が自らの頭で考えて税金の使い道を考える方向に路線転換をしなければ、止めどなく税金浪費の政治が続いていくことになります。

地方分権を徹底し(地方主権型社会をつくり)、「燃費のよい政治」を実現する必要があります。その実現を阻む最大の障壁が自民党という政党なのです。


2008/1/17(木) 町村官房長官、小沢民主党党首のマスコミ対応・・空気が読めない

【町村官房長官】
<9月26日の福田政権の発足時から株価は2500円以上下がっていて、これは大体15%ぐらい。同じ時期にニューヨークのダウは10%弱ぐらいしか下がっていない。日本の下げ幅は福田政権の政治姿勢、政策運営への厳しい評価、失望が1つの原因ではないかとの見方があるが、そうした見方についてどのように受けとめているか>
との質問に対し、

「まあ、ご批判は率直に耳を傾けなければいけないと、こう思っておりますけれども、福田政権のどういう部分がいけないから株価にどう影響したのか、論理的にご説明をいただければ、大いに参考にしていただきたいと思っております」

【小沢民主党党首】
新テロ対策特別措置法が衆院本会議で再議決された11日の衆院本会議を、大阪府知事選応援のため途中退席したことへの批判に対し、

「国民にとっても民主党にとっても大事な法案ではない。私は反対の意思表示をすでにしている。参院は多数があったから否決した。府知事選への応援が前から決まっており、選挙での約束は違えてはいけない」 

党内外から批判を浴びたことに対して、

「理解できない。党首としての活動は、自分なりの優先順位を決めて判断している。国民は理解してくれている」

「首相や大臣は全部本会議に出席してますか。してないでしょ。首相や大臣よりはるかに僕は忙しいし役割も大きい。なぜ野党党首はけしからんと批判するのか。官尊民卑で体制的な発言だ。マスコミが権力におもねってはダメだ」

【コメント】
町村氏の発言も、小沢氏の発言も、発言それ自体はそれなりに理解可能です。しかし、愚問しか発しないマスコミに対する対応としてこれでいいのかと言えば、いささか問題ありということになります。

空気が全く読めていないという印象を持ちます。誰か側近がきちんと意見を言わないと、大暴走してしまうのではないでしょうか。

内閣の顔としての対応、党のイメージを背負っての会見。それを思うとき、一応は腰の低いところを見せておいてもらわないと、「チーム」のメンバー達がやっていられないという気分になってしまいます。

民主党の党内評論家達も馬鹿げた意見を述べています。所属議員は「党首の優先順位論」に理解を示すべき立場です。マスコミに対して優等生的批判を展開しても、党の利益にはならないし、本人の株も上がらないということを理解すべきです。


2008/1/16(水) ガソリン解散?・・暫定税率での攻防

ガソリン代が高騰する中、揮発油税の暫定税率を廃止するかどうかが大きな政治的争点になりつつあります。

世論調査の結果を見ると、揮発油税廃止に賛成の方が多いようです。この「追い風」を受けて、民主党が政府を解散・総選挙に追い込めるかどうか。

【民主党、「ガソリン値下げ隊」発足 大阪府知事選へ“出動”】(産経)
民主党は15日、次期通常国会で揮発油(ガソリン)税の暫定税率を廃止することを目指して、中堅・若手ら衆院議員約60人からなる「ガソリン値下げ隊」を編成した。16日の党大会では壇上で気勢をあげるほか、地方遊説の第1弾として、17日に大阪市入りし、大阪府知事選応援をかねてキャンペーンを展開する。

国会内で15日に開かれた値下げ隊結成式で、民主党の山岡賢次国対委員長は「次期国会はガソリン国会であり、ガソリン解散を目指す」と強調した。与党が暫定税率維持のため関連法案の強行採決戦術をとってきた際には、値下げ隊がピケを張る実力行使も想定しており、菅直人代表代行は「民主党は(国会での)体を張った抵抗に強くないとの見方もあるが、大間違いだったと行動力で見せてほしい」と述べた。

また、山岡氏はこの日の代議士会で、与党が平成19年度末で期限切れとなる歳入関連法案の一括審議を検討していることに対し、「(与党は)全部一緒にして(ガソリン税の暫定税率維持の関連法案のみに)反対しにくいようにしようとしている。整合性のある分類に分けないと(審議に)応じられない」と批判した。暫定税率維持に関する部分は分割して提出するよう求めたものだ。

【コメント】
地方の人間としては、道路整備を進めて欲しいというのが偽らざるところです。

しかし、その財源は揮発油税だけではありません。一般財源から道路整備は可能です。道路建設における無駄や利権の類を整理整頓する作業がおざなりにされたままになっています。

国家経営における費用対効果の明細を国民に明らかにするという作業をしてもらいたいものです。このこと抜きに増税や、暫定税率維持という消極的増税を行うべきではありません。

私は、暫定税率を維持するということについて、条件付きで賛成します。それは高速道路の無料化+高速道路全国ネットの完成です。

「国道0号線」としての高速道路が無料で全国を網羅すれば、地方の発展に寄与します。こういうところに金を使うのであれば、有意義だと思います。

暫定税率は維持する。高速道路は当初の約束を破って永久に利用料を取り続ける。こういう出鱈目政治を許してはいけません。


2008/1/15(火) 小沢一郎氏の採決欠席・・時代が変わった

小沢・民主党代表が衆議院での新テロ特措法採決を欠席して大阪府知事選を応援に行っていたことが、党内を含め各方面から批判されています。

批判の根拠・論理には、どこにも誤りはありません。

【民主・小沢代表の新テロ法採決棄権で、鳩山幹事長が陳謝】(読売)
民主党の鳩山幹事長は13日のフジテレビの番組で、小沢代表が11日の衆院本会議で新テロ対策特別措置法の採決を棄権したことについて、「国民におわびしなければならない。申し訳なかった」と陳謝した。

同党の山岡賢次国会対策委員長も13日のNHK番組で、小沢氏の棄権を謝罪した。

鳩山氏は番組で「小沢代表には『どうせ(採決の)結論はわかりきっている。それよりも白熱した大阪府知事選の方が大事だ』という思いがあったと思う」と釈明したうえで、「どちらも大事だが、国会議員の義務は果たすべきではなかったか」と語った。

【コメント】
20年くらい前であれば、ニュースにはならなかったのだろうと思われます。結論の分かっている採決に出席しようがしまいが、天下の形勢にいささかの影響もありません。大物議員にはそれなりの役割が期待されているのであって、これを騒ぐのは雀か燕の類。

30年以上前の私の大学時代を思い起こせば、国立大学であったこともありますが、学生の授業出欠には極めて大らかでした。

しかし近年、学生の授業出席率は大幅に向上しているようです。真面目になったと思います。それとの対比でいえば、私などは恥ずかしい限りです。時代が変わったな、と思い知らされます。

とは言うものの、真面目さの陰で大きなものが見逃されているのではないか、気に掛かります。人生とは何か、学ぶとは何か、この社会は如何にあるべきか云々。大問題に向き合うことなく小問題に集中することの善し悪しを考えてみることも必要です。

そんな風に考えてみたとき、小沢一郎が欠席したか出席したかが取り沙汰される風潮に対する疑問も湧いてきます。

「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ・・」の故事を持ち出す場面でないことは重々承知しているつもりですが、社会全体が「雀の学校」と化しているのではないか。そんな気がします。

政治に携わる方々には、小事を軽んずることなく、しかも、「鴻鵠の志」を持っていただきたいと思います。


2008/1/14(月) 朝日では内閣支持率34%・・落ち目の公家政権

共同通信の調査では41%と出た福田内閣の支持率。朝日の調査では34%になっています。

質問事項への回答を見ると、福田政権が安定軌道になるまで支持が回復して来るには、かなりの努力が必要になると思われます。

景気が失速しそうな状況下での舵取りがこの政権で可能なのか。そうした不安すら感じます。

【内閣支持低迷34% 年金なお厳しい評価 本社世論調査】(朝日)
補給支援特別措置法の衆院での再議決を受けて、朝日新聞社が11日午後から12日夜にかけて実施した全国緊急世論調査(電話)によると、福田内閣の支持率は34%、不支持率は45%だった。支持率は内閣発足以来最低だった前回(12月19、20日)の31%からやや持ち直したものの、引き続き低い水準だった。年金問題への評価は前回よりさらに厳しくなっており、低い支持率が続く要因となっている。政府・与党が、特措法が参院で否決された後に衆院で再議決し、3分の2以上の賛成で成立させたことについては、「妥当だ」と「妥当でない」がともに41%で見方が分かれた。

福田内閣の支持率は12月初旬までは40%台だったが、前回調査では年金記録問題をきっかけに急落した。その年金記録問題で、福田内閣の対応を「評価する」は26%(前回36%)にとどまり、「評価しない」が55%(前回46%)と、前回より厳しい数字となった。内閣支持層でも「評価する」は45%で、「評価しない」人が31%にのぼった。 
一方、衆院での再議決で特措法案の成立をはかることに対しては、前回調査で「妥当ではない」(43%)が「妥当だ」(37%)を上回っていた。 

特措法成立でインド洋での自衛隊活動の再開は決まったが、「活動再開は必要ではない」が今回48%に達し、「必要だ」の34%を上回った。前回調査で「必要ではない」(48%)が「必要だ」(37%)を上回り、今回さらに差が開いた。特措法そのものへの賛否も、反対が40%で、賛成の36%より多かった。 

参院で否決された法案を衆院の再議決で成立させるやり方について、他の法案にも使うことの賛否を聞くと、「賛成」は18%にとどまり、「反対」は35%、「どちらともいえない」が44%だった。特措法の再議決には約7割が「賛成」と答えた自民支持層でも、他の法案の再議決については「賛成」が30%で、公明支持層では「賛成」が19%にとどまった。与党支持層でも再議決の多用には慎重な姿勢がうかがえる。 

また、薬害C型肝炎訴訟をめぐって、福田首相が12月末、議員立法によって原告が求める全員一律救済を実現する方針を示し、これに沿った法律が成立したが、こうした福田首相の対応を「評価する」は71%だった。ただ、「評価する」と答えた人のうち、内閣を支持する人は40%にとどまり、不支持が41%。首相の決断が必ずしも支持率回復の大きな要因にはなっていない。 

こうした中、「いま総選挙をするとしたら」として聞いた比例区の投票先は、民主が36%(前回38%)で自民の25%(同23%)を引き続き大きく上回った。 

望ましい政権の形も「民主中心」が35%(同41%)で「自民中心」の27%(同28%)に水をあけている。政党支持率は、自民が26%(同27%)、民主が25%(同25%)だった。 

他方、衆院の解散・総選挙については、「早く実施すべきだ」が前回の39%から34%に減り、「急ぐ必要はない」が前回の48%から54%に増えて、12月初旬の前々回調査とほぼ同じ比率に戻った。民主支持層では「早く実施すべきだ」が前回の69%から52%に減っており、全体として解散風が弱まる結果となった。 

【コメント】
かなり深刻な数字です。朝日の調査が内閣にとって厳しく出る傾向はありますが、共同通信の調査と併せて検討すると、薬害肝炎問題の解決で一息ついたという程度にとどまります。

現在の自民党政権を一言でいえば、「落ち目の公家政権」ということになるでしょうか。社会の現実から遊離し、家柄で首相が決まるというひ弱な体質になってしまっています。

安倍・福田両政権に共通するのは、祖父や父親と比較してさほど資質に恵まれていない二世三世の政治家に党内的な支持が集まり、しかも、かつての総理のように熾烈な権力闘争の末に勝ち上がってくるという過程を踏んでいないということです。そのことのマイナス面が顕著に出ています。

ただし、民主党サイドの攻め方も難しい。民主党への期待感が高いまま推移しているということは、何か「次の一手」を国民が期待しているという見方も可能です。「次の一手」を誤ると失速しかねません。


2008/1/13(日) 内閣支持率上昇・・これで一安心と言えるか

共同通信の世論調査で、内閣支持率の上昇が伝えられています。

しかし調査結果の内容を見ると、自民党にとって深刻な状態が継続していることが分かります。

【内閣支持率41%、6ポイント増 全国緊急電話世論調査】(共同) 
共同通信社は新テロ対策特別措置法成立を受け、今月11、12両日、全国緊急電話世論調査を実施、福田内閣の支持率は41・4%で前回昨年12月調査に比べて6・1ポイント上昇した。ただ依然「支持しない」(42・8%)が上回った。

参院で否決された対テロ新法案を衆院で3分の2の多数による再議決で成立させたことには、「適切でなかった」が46・7%で、「適切だった」(41・6%)を5・1ポイント上回った。インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開する対テロ新法については「評価する」44・1%、「評価しない」43・9%が拮抗(きっこう)した。

ガソリン1リットル当たり約25円上乗せしている揮発油税の暫定税率に関しては、3月末の期限切れ後「延長しない方が良い」が72・2%で圧倒的多数。

支持する政権の枠組みに関しては「民主党中心の政権」が41・5%で、前回調査に続き「自民党中心の政権」(35・0%)を上回った。

【コメント】
薬害肝炎問題が曲がりなりにも解決したことが要因であろうと思われます。それに対する御祝儀相場と見るのが妥当です。依然、不支持率が支持率を上回るイエローカード状態。

新テロ特措法についての賛否が拮抗しており、衆院の3分の2の多数で可決したことへの評価も芳しくありません。

注目すべきは、揮発油税の暫定税率の期限切れ後に、これを「延長しない方が良い」が72・2%で圧倒的多数であるということです。石油の値上がりが国民生活を圧迫していることの表れであるという認識を持たなければなりません。

支持する政権の枠組みについて、「民主党中心の政権」の方が期待されている状態が続いていることも政権側にとっては深刻であろうと思われます。

官僚の論理を打ち破っていかないと、国民の生活を護ることができません。国民がそのことに気付き始めています。

生活を護る政治の旗印を貫いていけば、民主党政権が見えてくるのではないでしょうか。


2008/1/12(土) しょぼくれた衆議院再議決・・外交能力欠如の産物

昨年テロ特措法の期限切れが迫っていたときの緊張感がなくなり、気の抜けたビールを飲むような盛り上がらない再議決でした。

しばらく中断してどうということもなく、あってもなくてもよい感じになっているのに、ひたすらアメリカの顔色を窺っている自民党が一大事であると騒いでいるだけ。

【衆院57年ぶり再議決 対テロ新法が成立】(共同) 
今国会最大の焦点となった新テロ対策特別措置法は11日午後の衆院本会議で、憲法59条の規定を適用し、出席議員の3分の2以上の賛成多数で再議決、成立した。これに先立つ参院本会議では民主党など野党の反対多数で否決され、民主党提出の「対案」が可決された。参院で否決の法案が衆院再議決により成立したのは、1951年の「モーターボート競走法」以来57年ぶり。

政府は対テロ新法成立を受け、インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するため、16日にも海自派遣の実施計画を閣議決定。月内に海自補給艦などを出航させる。テロ対策特別措置法の失効に伴い昨年11月から中断していた海自の給油活動は2月中旬にも再開する見通しだ。

衆院再議決の結果は賛成340票、反対133票だった。

【コメント】
タダで給油活動をすれば、アメリカの活動に賛成の国で顔をしかめる人はいないでしょう。

外交能力が欠如し、朝貢でしか認めてもらえない状態であることを反省することなく、ひたすら貢ぎ物をささげる。

かつての朝貢外交は、中国に対して周辺諸国が朝貢し、それを上回るお返しが中国の王朝からあったと言われています。そういう関係すらない朝貢外交に何時まで甘んじるのでしょうか。

直近の民意ではなく、しかも、「郵政民営化是か非か」と大芝居をやって獲得した正当性に疑問のある議席で、憲法59条を盾に取って再議決するのは極めて不条理です。

民意とのズレがもっと拡大したのではないでしょうか。


2008/1/11(金) 消費税5%分は官僚養育費・・言い換えれば「無駄」

報道機関の論調は、消費税を上げろ、です。

増大する社会保障費を賄うには、国民負担の増加が不可欠。財源として最も適当なのが消費税である、との論理。

企業が負担すべきか、国民全体で負担すべきかと言えば、企業の国際競争力を考えたとき、国民が等しく負担するという考え方の方がより現実的であろうと思われます。

財源は消費税。これを認めたとして、国と地方併せた公的サービス全般に対応する経費として、報道機関や政府・官僚達が言うほど掛かるものかどうか。この点を精査する必要があります。

このことを解明していくためには、現在の「ねじれ国会」は絶好のチャンスになります。

否定的ニュアンスで語られている「ねじれ」ですが、これは国民と政府・官僚とのねじれと見た方がいいと思います。薬害肝炎患者の救済は、このねじれが幸いしたという面もあります。

消費税5%分は12兆円。これくらいの無駄は「国からの請求書」の中に混入しています。「明細書」の中味を参議院にチェックしてもらってから政権交代へと進んでいく方が国民の利益には叶うでしょう。

衆院選が遅くなることを懸念するよりも、現在のチャンスを活かすために、参議院の民主党やその他野党に頑張ってもらわなければなりません。国家経営の論理と国民生活の論理との調整が必要とされています。


国民が官僚養育費として消費税5%を支払う必要は全くありません。無駄です。


2008/1/10(木) 高齢女性の貧困・・「助け合い手帳」の創設を

生活保護と一括りにはできない現実があります。

多くは不幸な人生の結末としての老後なのだろうと思われます。人生の終盤がこれでいいのでしょうか。

【生活保護受給者:多い「高齢・女性・独居」 支援策少なく】(毎日) 
05年時点の全国の生活保護受給者約143万3200人のうち、39%(55万5000人)が65歳以上の高齢者で、うち58%(32万4500人)が女性であることが、政府の男女共同参画会議の専門調査会がまとめた報告書案で分かった。65歳以上の女性高齢受給者の72%以上(23万5500人)が、独りで暮らす「単身世帯」だった。悪化する「高齢女性の貧困」に対し、報告書案は「男女別に状況を把握・分析し、その結果を反映した施策はきわめて少ない」と批判し、各官庁に支援策の見直しを求めている。

報告書案は男女共同参画会議の監視・影響調査専門調査会がまとめた。それによると、女性の方が男性より長寿であるうえ、核家族化が進んで子どもとの同居が減少。75歳以上の女性では4〜5人に1人が独り暮らしだ。

また65歳以上の者がいる世帯の所得をみると、独り暮らしの高齢女性の過半数は年間所得が150万円未満。65〜74歳の高齢者で就業しているのは男性で約4割、女性で約2割にとどまっている。高齢者世帯の所得の約7割を占める「公的年金・恩給」についても、女性は結婚や出産などで男性より就業年数が短く、受給額が低い傾向があると分析した。

こうした現状を踏まえ、報告書案は「生涯未婚者や非正規雇用の増加により、高齢期の経済面の課題はいっそう深刻化する」と指摘。当面は高齢女性の就業促進を図るとともに、性別や働き方に配慮した税制・社会保障制度のあり方を検討すべきだと提案した。

さらに、パートタイム労働者の待遇改善や、企業における女性の採用・登用の拡大、賃金格差の縮小など、生涯を通じた女性の就労環境整備に努め、年金受給権や資産形成能力を向上させる必要性も強調している。

【コメント】
私は、生活保護は貸付制度にすべきだと考えています。返済を強制しないけれども、返済を目指して努力してもらうのです。頑張っても生活保護より低い給与水準であるワーキングプアとの対比はできなくなります。所得と借り入れとでは、ことの本質が異なるからです。

貸付制度にして比較的容易に「借り入れ」ができる運用にします。資産のある人でも貸与可能にしていくことで、リバースモゲージ(収入はないが、土地・住宅などの資産はあるという高齢者の方々がその資産を活用し自宅での生活をそのまま維持させる制度)の簡便な運用法ともなります。また、返済金の一部は新たな貸付資金として「助け合い」に使われることにします。

「助け合い手帳」を創設し、そこに「預金」や「借入金」の欄をつくれるというのはどうでしょうか。「預金」は現金でもいいし、何らかのボランティアを金銭換算して預け入れてもいいことにします。

高齢であっても体が不自由でも、ボランティアで社会に貢献して「預金」し、困ったら「借り入れ」させてもらう。相互扶助的な制度(地域通貨的な役割もあります)にして、社会における助け合いの一環として貧困への備えをすべきだと思います。


2008/1/9(水) 秋山直紀氏をもっと知りたい・・日米利権の核心

「日米同盟」とは利権である。我が国で「愛国心」を叫ぶのは、「日米同盟」に関わる利権を確保するための方便である。

こう言ったら、言い過ぎでしょうか。

【秋山専務理事:顧問商社が担保マンション落札…今も住居に】(毎日) 
日米平和・文化交流協会の秋山直紀専務理事(58)が、東京都豊島区のマンションを担保に1億8400万円の融資を受けて返済不能に陥った95年、自らが顧問を務める商社がこの不動産を競売で落札していたことが分かった。秋山氏は現在もマンションに住んでおり、関係法人を使った不可解な動きがまた一つ明らかになった。

このマンションは東京都豊島区目白2の5階建てマンション1階で、床面積約90平方メートル。登記簿などによると、秋山氏が89年12月に購入し、信用保証会社から1億8400万円の融資を受けた。しかし、返済不能になった95年5月、東京地裁が競売開始を決定。翌年5月、秋山氏が顧問を務める商社「アドバック・インターナショナル・コーポレーション」(当時タンジェリン・コーポレーション)が落札した。

さらに、06年1月には米ワシントンの法人「カウンシルフォーナショナルセキュリティ」に売却された。この法人は協会が毎年開催する「日米安全保障戦略会議」の共催団体に名を連ねたこともある。現在もマンションの所有者はカウンシル社だが、郵便受けに「秋山」とあり、秋山氏が住んでいるという。

この問題は8日の参考人質疑でも取り上げられ、桜井充委員(民主)が「カウンシル社はペーパー会社ではないか」と追及したが秋山氏は否定。借金を返さないまま担保を取り返した形になり、自己破産もしていない点を浅尾慶一郎委員(同)が「特殊な対応ではないか」と指摘すると「全部その処理は終わっています」と詳しい説明を避けた。

【コメント】
昨日、参院外交防衛委員会で「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀専務理事に対する参考人質疑が行われました。

なかなかの貫禄。秋山氏は余裕をもって「答弁」していました。この人物が日米利権の核心を握る人物です。

防衛商社「山田洋行」から米メーカーの代理店契約を維持するため約3千万円を受け取り、久間元防衛相に協力を依頼された疑惑について、秋山氏は「そういう事実はございません」と全面的に否定。 

福岡・苅田港で2000年に見つかった毒ガス弾処理事業の下請け受注工作として、山田洋行の米子会社から秋山氏が顧問を務める米国法人「アドバック・インターナショナル・コーポレーション」に約1億円が送金された疑惑も否定しました。

その秋山氏は、2億円近い資金を借り入れ返済不能に陥ったのに自己破産もせず、いつの間にか担保物件であったマンションに再入居しています。

やり手なんだろうなという印象ですが、なんとも怪しい。もう少しこの人物の詳細を炙り出してもらいたいものです。


2008/1/8(火) 都教委の「待った」は妥当か・・教育における分権

君が代を強制するしか能のない都教組が、今度は杉並区での取り組みに「待った」。

言論統制だけでなく、区の上にも君臨したがる時代錯誤組織としての都教組の姿が浮き彫りになります。

【区立中での塾開講に待った 都教委、見直しを指導】(共同) 
東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長)で9日から実施予定の進学塾講師による夜間有料特別授業「夜スペシャル」について、東京都教育委員会は7日、「入室テストで対象者を絞るなど、義務教育の機会均等の観点から疑義がある」などとして杉並区教育委員会に対し、実施の再考を求める指導・助言を行った。

地方教育行政法48条による措置で区教委は指導・助言に拘束されない。文部科学省によると、都道府県教委が市区町村教委の独自の取り組みに待ったを掛ける指導・助言を行うのは「あまり例がない」という。藤原校長は同日夜、「実施方法は変更しない」とした上で、9日から26日に延期することを明らかにした。

杉並区教委は井出隆安教育長名で「教育の地方分権が求められている今日、都教委がこのような指導を行ったことはきわめて残念」とのコメント発表した。

【コメント】
正に、「分権」の意義が分からない「指導」です。事の当否は、杉並区の教育委員会が判断すればいいのです。

「義務教育の機会均等」は、中学校段階での教育内容を修了するための機会を確保されるという意味に理解すべきです。

「それ以上」を望む生徒や保護者のニーズに対応する手段を各教育委員会や学校がそれぞれの判断で行うことは裁量の範囲内であると考えるべきです。そうでなければ、公立校における教育が公平の名の下に硬直化するだけです。

杉並区の取り組みは公立校への信頼回復のための取り組みとして評価すべきであり、こうした取り組みの試行錯誤の中から、より優れた教育手法が開発されることが期待されます。


2008/1/7(月) 社会奉仕命令の導入・・刑罰の合理化を

やっと日本でも、社会奉仕命令が実現しそうです。

執行猶予では軽すぎる。実刑では重すぎる。そういう類の犯罪があり、犯罪者がいます。

【清掃や落書き消去、判決に「社会奉仕」導入…政府方針】(読売) 
政府は、裁判の判決で懲役刑などの執行を猶予する条件として、公園の清掃や落書きの消去などを無報酬で行うことを命じる「社会奉仕命令」を導入する方針を固めた。

実刑と執行猶予では大きな差があり、中間的な処遇が必要と判断した。新たな選択肢が加わることで執行猶予の判決が増え、刑務所の過剰収容に歯止めをかける効果も狙っている。政府は2008年中にも、刑法と刑事訴訟法の改正案を国会に提出することを目指している。

社会奉仕命令の導入により、裁判所の懲役や禁固の判決は、〈1〉実刑判決〈2〉社会奉仕命令を条件にした執行猶予付きの判決〈3〉条件のない執行猶予付きの判決――という選択肢ができることになる。

同命令導入の是非については、06年7月、当時の杉浦正健法相が、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。同審議会は「被収容人員適正化方策に関する部会」で07年12月27日までに11回の審議を行い、執行猶予の条件として導入することで、ほぼ意見が一致した。

社会奉仕命令を執行猶予の条件とする対象として想定されているのは、道交法違反や業務上過失傷害などによる短期の懲役・禁固刑。裁判官は社会奉仕命令の作業時間の上限や下限を宣告し、受刑者が作業を行わなかった場合は刑務所に収容するなどの罰を科す。

具体的な作業の中身については社会奉仕命令を監督する機関が決定する方向で、今後、監督機関や命令の対象となる犯罪、作業内容など、制度の詳細を詰めていくことにしている。

法相が社会奉仕命令の導入を法制審議会に諮問した背景には、刑務所の過剰収容の問題がある。刑務所などへの収容人員を収容定員で割った収容率は、97年末に79%だったが、06年末には102%に増加。01年末以降は収容人員が定員をオーバーする状態が続いている。

法務省は、新たに社会奉仕命令を設けることで、これまでの基準では実刑判決だったが、条件付き執行猶予判決を言い渡すケースも増えると見ている。また、社会奉仕命令に基づく作業を行うことで受刑者が自分が執行猶予中の身であることを自覚し、罪を繰り返して刑事施設に収容される事態を防ぐという「教育的効果」も期待している。

英国やフランスなどでは社会奉仕命令を懲役刑、罰金刑などと並列する独立した刑としても導入しており、受刑者に道路や公園の清掃、落書きの消去などを行わせている。

今後、法制審議会では、英仏のように独立した刑としても社会奉仕命令を導入することや、懲役などの代替として導入することの是非についても引き続き検討する。

【コメント】
社会奉仕命令を英仏と同様、独立した刑として導入すべきです。犯罪ではない場合(行政法上の違反や少年非行)のペナルティーとしても広く活用すべきだと思います。

「犯罪者」だけが「社会奉仕命令」に従うとすれば、ある意味での見せしめであり、社会奉仕に対する偏見が生まれる可能性もあります。

スピード違反が代表例ですが、誰でも違法行為をする可能性があります。そのとき、罰金や反則金ではなく、実際に身体を動かして社会奉仕することで法律遵守の心構えを再確認し、他方、普通の人がそれを行うことによって一般の人の社会奉仕に対する違和感をなくす必要があります。

もっともっと、刑罰の合理化が図られるべきです。死刑が人道上または誤審の問題があって廃止すべきだという意見が多いのに、死刑にならなければ実質的な有期刑である「無期懲役」にしかならない現状も克服されるべきです。


2008/1/6(日) (毎日調査)民主勝利期待46%>自民36%・・自民支持層も民主勝利を期待

今年は政治決戦の年と言われていますが、果たして福田政権は解散総選挙に打って出ることができるのでしょうか。

【衆院選:勝利期待は民主46%、自民33%…毎日新聞調査】
毎日新聞が昨年12月に実施した全国世論調査(電話)で、次期衆院選は自民党と民主党のどちらに勝ってほしいかを尋ねたところ、民主46%、自民33%という結果だった。その他の政党13%、無回答9%。「民主躍進、自民惨敗」となった昨年7月の参院選直後より民主党のリードが大きくなった。年金記録漏れ問題や防衛省の不祥事などで自民党への逆風が強まっていることがうかがえた。

この質問は今回で5回目で、いずれも民主党が自民党をリードしている。参院選直後の昨年8月調査は民主44%、自民37%で7ポイント差だった。9〜10月の3回の調査では差が4〜5ポイントに縮まったが、今回は13ポイントに開いた。

同時に質問した支持政党が自民26%、民主27%と拮抗(きっこう)していることを考えると、民主支持層以外にも民主党への期待が強いことを示した。

衆院選への関心については、「非常に関心がある」39%、「ある程度関心がある」43%で、計82%が関心を持っている。「あまり関心がない」は11%で、「全く関心がない」は3%だった。

衆院選の投票の際に最も重視するのは「政策」が51%で最多。「人柄」15%、「所属政党」11%、「経歴や実績」9%、「イメージ」3%などが続いた。当選した政治家に一番重視してほしいものは(1)「国全体の政策」62%(2)「地元への貢献」27%(3)「政府や政党幹部とのパイプ役」4%−−の順で、有権者が政治家の政策立案能力に期待を寄せていることが浮かんだ。

衆院選で小選挙区と比例代表でどちらを重視するかは、「小選挙区」の68%が「比例代表」の21%を大きく上回った。

【コメント】
福田政権は衆議院で信を問うていないために、直近の参院選で野党を勝たせた世論への配慮が求められるだけでなく、政権の正当性が問われることになっています。

そこで解散総選挙の時期が問題になっているのですが、毎日の世論調査を見る限り、解散できる状況にはありません。自民党支持層まで、一度民主党にやらせてみてはどうだ、というスタンスのようです。

しかも、衆議院で3分の2を与党が占めている限り、政権運営は可能です。解散すれば確実に「3分の2」を下回ります。そうだとすれば、解散せず来秋の任期満了を待つということが考えられます。

そうすると、民意を問わない政権の正当性が問われ続け、支持率はジリ貧ということにもなってきます。年金制度の破綻が知れ渡り、防衛省疑惑解明のための捜査も進みます。

このように考えていくと、福田政権は解散権を行使できず、衆議院の任期満了までいくと低空飛行のままで選挙を迎えることになる可能性があります。選挙なしの「投了」ということもあり得ます。


2008/1/5(土) 病院・医院の隣にアパートを造れ!・・医療の合理化を

高齢者の長期入院をどうするか。大きな社会問題です。

医療サービスを受ける必要はあるが、本人は通院に耐えられない。家族が世話することも難しい。結果としての入院。

療養病床の半分が「社会的入院」であるという現実をどう捉え、どのような対策を講じていけばいいのかが問われます。

【療養病床、削減幅を緩和 厚労省修正で存続5万床増】(朝日)
慢性疾患の高齢者が長期入院する療養病床の削減問題で、厚生労働省は現在約36万床あるベッド数を12年度末に15万床まで減らす当初の計画を大幅に緩和し、5万床上乗せした20万床程度を存続させる方針を固めた。高齢者人口の伸びへの対応と、早期のリハビリテーションを重視する観点から計画修正に踏み切る。

厚労省は、療養病床の高齢者の半分近くは専門的な治療の必要性が低い「社会的入院」とみている。退院後の介護の見通しが立たないなどの理由で入院が続き、医療費を押し上げる一因となっていると分析。06年の医療制度改革では、費用を医療保険でまかなう「医療型」の25万床を12年度末に15万床へと減らし、介護保険でまかなう「介護型」は全廃する計画を打ち出した。介護型は当時13万床で、現在11万床まで減っている。 

療養病床の廃止分は、よりコストの低い老人保健施設や有料老人ホームなどに転換し、厚労省は年間3000億円の医療・介護給付の削減を見込んでいた。これに対し、日本医師会や病院団体は「医療行為が必要な人も多く、行き場のない高齢者が続出する可能性がある」と反発していた。 

だが、この削減計画は将来の高齢者人口の伸びを考慮していなかった。06年末に公表された最新の人口推計では、75歳以上の人口は06年の1216万人から12年には1526万人へと25%増える。厚労省は各都道府県に対し、12年度末時点で存続させる療養病床数の目標を出すよう求め、全容がほぼ固まりつつある。高齢者の人口増を反映させると、全国で18万床程度が必要になる。 

さらに、当初計画では医療型の削減対象に含まれていたリハビリ用の療養病床2万床も存続させることにした。脳卒中や骨折の後などの早期リハビリを充実させ、寝たきりの高齢者が増えないようにする。この分も合わせ、存続ベッド数は計20万床程度となる。 

ただ、療養病床の削減計画が大幅に緩和されることに伴い、医療費の削減効果も限定的にならざるを得ず、将来の税負担増や現役世代の保険料の引き上げにつながる可能性がある。 

【コメント】
将来の高齢者人口の伸びを考慮していなかった・・

厚生労働省らしい「誤算」と言えばいいのでしょうか。

超高齢社会において、なにをもって医療の守備範囲とするか。このことを真剣に考えていかなければなりません。

ジェネリック医薬品というものがあり、最近CMがよく流れています。新薬の特許期間が切れた後に製造販売され、安く提供される医薬品をジェネリック医薬品と言います。

この発想で医療サービスを提供できないのでしょうか。現在の公的保健医療制度は、ある程度そういう発想が入っています。高度医療は保険外の扱いとなります。

この発想を拡大し、20〜30年前の医療水準で構わないという人に対しては、それなりのサービスを提供することで医療機関も患者側も納得するようにするのです(負担も合理化する)。

また、医療機関の隣にアパートを建て、そこに「入院」してもらうことも医療サービスの提供の一環と考え、長期入院患者に対する医療サービスを行うことが是認されるならば、家族も助かり、患者も助かり、医療に掛かる公的負担も軽減できるということにならないでしょうか。

「アパート」の経営は、民間でもいいし、自治体やNPOが行うということも考えていいでしょう。過疎地の自治体でもそれが可能ならば、地元の「アパート病院」に患者を収容し、家族の近くで患者が生活できるということにもなるでしょう。

20〜30年前には「御臨終」とされた人も救わなければならないと画一的に決めてしまわず、本人と家族の納得が得られれば、臨機応変の柔軟な対応ができるような仕組みができれば、医療はもっと合理化できるのではないでしょうか。

非人道的だと非難されるかもしれません。しかし、実質的な観点から医療その他のサービスと国民の負担とのバランスを考えていかなければ、超高齢社会を乗り切ることは不可能だと思います。

すぐに「消費税云々」の議論をしたがるのは、政治としては邪道であると考えます。


2008/1/4(金) 第2の農地改革を!・・中心市街地の公有化

中心市街地の活性化、そして近時はコンパクトシティー。

その掛け声は素晴らしいのですが、郊外における土地の利用規制と相俟って、中心市街地の土地を地主の自由にさせないという決断がなければ、多大の労力を掛けても効果の程は不明確です。

人口数万人の小都市であれば、200m四方・4万平方b を「中心市街地」と認定して公有化を図れば、かなり効果的な取り組みが可能です。

1平方b当たり10万円として40億円。全国1000カ所で4兆円。

合併により本庁社を失った地域の地域拠点を全国で1500カ所と仮定し、その拠点地域100m四方・1万平方b、1平方b当たり7万円として、1カ所7億円、全国で1兆500億円。

併せて5兆円強の予算+措置法で、地域活性化の基盤が確保できます。これを断行すれば、各地域での投資効率は大幅にアップします。第2の農地改革となり、全国的に大きな飛躍のチャンスが訪れます。

道路特定財源をどうするかが大きな争点となっています。年間5兆円以上の税収があります。この1年分(10カ年計画でやれば、1年当たり予算の10分の1以下)を道路ではなく地域拠点に使えば、道路における投資効果が大幅に向上します。不要な道路を造らなくてすむことにもなるでしょう。


2008/1/3(木) 「増税」が政権担当能力の証か?・・政権担当能力とは何か

国民に増税を提案するのが責任ある政治家であり、政権担当能力ある政党である証であるかのような論調が、近年報道機関に蔓延しています。

新聞の再販制維持の見返りとして、増税容認の論陣を張ることが裏で合意されているのではないか、と勘ぐりたくなってくるほど物わかりのよい姿勢です。

「埋蔵金」論争が昨年末盛んになりましたが、特別会計に積み上げられている埋蔵金とその根元である独立行政法人などのからくりを白日の下にさらさない限り、増税を叫ぶ実質的な論拠はないと思われます。

増え続ける社会保障費に対応する将来設計の問題であるとしても、最小限の国家維持経費は如何ほどであるかの見積もりがないのに社会保障費を担保に取るような議論を展開するのは、国民を欺く詐術があるとみるべきです。

場合によっては国民に負担をお願いするのが責任ある政治家であり責任政党であることを認めたとして、それが政権担当能力を有することの証なのでしょうか。

高度成長や製造業の生産性に支えられてきたこれまでの政権は、経済成長による税収増と官僚による「自動制御」によって国家運営ができてきただけであり、政権党の政治家がやってきたことは、派閥間抗争と猟官運動、そしてそれに必要な利権(賄賂を含む)獲得競争だけだったといっても言い過ぎではないでしょう。政治は理念なきバラマキを基調としていました。

そうした政権党の政治家に政権担当能力があるかのように見えたというのは、全くの誤解ないしは錯覚です。

自民か民主か。どちらが政権を担うかということが最大のテーマとなる2008年。

自民党に取って代わる政権担当能力が民主党にあるのか、という問題の立て方は誤っています。従来自民党にもなかった政権担当能力を、どちらの政党が有するのかを国民が審査するというのが、公平なものの見方であると思います。

その意味での政権担当能力とは、疲弊し硬直化した官僚機構をコントロールできるかどうかどうかということでなければなりません。残念ながら、自民党にはその能力と意欲がないことをこれまでの歴史(現在進行形のものを含めて)が示しています。

≪独言≫
2度の国政選挙を戦い、「名誉の戦死」を遂げ、民主党を離れた私は、一国民として政権交代を応援するということを基本として、このブログをつくっています。

ただし、党員でなくなった気楽さから、民主党に対して9割応援、1割批判というくらいで論評しています。

2年間の民主党愛媛1区総支部長の経験は、大変貴重なものでした。その経験によって視野が大きく広がりました。候補者として擁立してくれた民主党には感謝しています。

最初の選挙で、負けると分かっていた愛媛1区で越境出馬しました。2004年の参院選後、県連代表から戦いやすい地元愛媛2区からの出馬を要請されましたが、断りました。

国会議員になることが私の夢ではなく、愛媛を変えたい、政治をプロデュースしたいというのが私の基本発想であったので、一番有意義なのは愛媛1区だと思いました。

事実、愛媛1区の総支部長というよりは、全県を視野に入れた活動を展開しました。1区の総支部長としては駄目支部長でしたが、企画そのものは秀逸であったと自負しています。

3年計画の2年で郵政選挙になったことが誤算でした。

私が愛媛の政治でやりたかったのは、民主党県連が連合愛媛の支配下に置かれることを阻止し、保守層に支持される新たな国民政党としての民主党の基礎固めでした。

個々の労組や労組の皆さんには助けていただき、感謝の念も持ち続けています。しかし、連合愛媛事務局の堕落ぶりには嫌悪感を抱き続けています。

あとに続く方々に、この点での決着を付けていただけることを希っています。

以上、年頭所感。


2008/1/2(水) 「非連合系民主党」の旗印・・民主党が圧倒的な勝利を得るために

民主党の地方組織では、連合抜きで選挙を戦うことができないという実態がありました。少なくとも愛媛においてはそうでした。

しかし自民党が地方から崩壊しつつある今、自民党を見限った保守系有権者の幅広い支持を得て小選挙区で勝つためには、「連合の色」が邪魔をする状況が生まれつつあります。

民主党の各議員(候補者)が有権者の期待に応えるためには、連合からの自立が必要です。

党本部や県連としては、大所高所から連合との友好関係を保つ努力が必要でしょう。しかし、各議員・候補者においては、「連合の推薦を得ずにやる」という気概を積極的に示す方が選挙には有効ではないかと思える場合もあります。

ケースバイケースではありますが、「非連合系民主党候補者」であることをアピールして選挙を戦う気概があれば、政治家の姿勢として積極的な評価を受ける土壌ができていると思われます。その前提に立ち、連合から自立した姿を見せる民主党議員・候補を、あるべきひとつのモデルとして確立していくべきです。ある面では、実態の方が先行しているようにも見受けられます。

そうした動きが広がれば、民主党に対するイメージが一新し、終焉を迎えつつある自民党を一気に覆して圧倒的な勝利を掴むことにつながっていくでしょう。


2008/1/1(火) 民主党は勝てるか・・公募候補の限界

政権交代を望む国民が増えてきています。

年金問題に関する自民党の責任感のなさが白けムードを誘発し、保守層にも見放されつつあります。世論調査からも、そのことが見て取れます。

では民主党が勝てるのかというと、これもなかなか難しい状況です。というのも、「候補者」に問題があるからです。

民主党の公募に志願者が殺到していると言われます。しかし、多くは「国会議員への転職」志望者です。大半は、「志」よりも「就職」という感覚です。口は重宝でいろいろ言いますが、国会議員であること自体が楽しいという感覚の人が多数流れ込んでくる状況であろうと推測します。

動機が不純であればあるほど、人間は頑張れたりするものです。そういう意味では、頑張れる人材が出てきているという評価はできるでしょう。

ただし、順風のときだけの人材であると、最初から見切っておいたほうが安全です。

各候補が連合の顔色だけを窺い、比例で浮かび上がろうとする発想になると、小選挙区で150〜170勝つという大目標を実現できないように思います。

政権交代の年であって欲しいが、一抹の不安。


玉井彰の一言 2008年1月 四国の星ホーム一言目次前月翌月