教育のツボ


教育雑感//1997/11/06≫
BadTakeさんへの返信――校則について

 BadTakeさんが、ご自身のホームページ上で「現在の校則をどう思うか」というアンケートを実施されています。次に引く私信は、そのアンケート投票後にお送りしたものです。 返信が遅くなりました。ご依頼のあったアンケートの方は、早速、その日のうちに投票させていただきました。
 校則一般を語るのは難しいのですが、私は、「ルールを身につけさせる」という教育的効果は認めるものの、教師自身が理解しえない(したがって、生徒を納得させえない)ような校則は、改められるべきだろうと考えています。

 「悪法も法だ」とか「理不尽(りふじん)さに耐えてこそ成長がある」なんていう論調もありますが、合理的な説明が不可能なものは、それを子供たちが対峙(たいじ)すべき試練(あるいは価値観や規範)として、私たち教師が提示していくことは難しいでしょう。
 例えば、「〜らしさ」なんて基準は時代によって揺れていきますから、私が小学生(中・高生)だった頃と比べても、今の子供たちというのは、生活的・文化的な部分では、随分違っていると思います。私の教科(国語)に関わる点で言っても、読書がそれなりに大きな娯楽だったという感覚は、私にとって当たり前でも、子供たちにとっては、必ずしもそうでないわけです。

 それでも、書物をひもとく楽しさとか必要性なんかは合理的に説いていくことができるわけですし、授業を通じて体感させていくこともできます。つまり、「きまりだから」って頭から押さえつけずに語ることができるわけですよね。ルールに関しても、そういう部分が大切なのではないでしょうか。
 要は、「何か納得いかへんけど、センセエがあんだけ言うてはるんやさかい」と思わせられるかどうか、ということだと思います。もちろん、教師が無前提に校則の「正当性」を信じ込んでいたら恐いですが。

 校則の教育的な側面は、結局のところ、「現実がそうなっているんだから仕方ない」といった感覚を育てることではなく、正しいことを正しいと言える感覚を育んでいくというところにつながっていかねばならないと考えます。



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