紆余曲折ひとり言(2)

相変わらずの雑話です。

*号令式指導法の?(2002/07/14)

*苦戦しています(2002/07/01)

*力まず、しなやかに(2002/05/19)

*武術太極拳競技大会迷観戦録?2002/04/21

*初級のベテランが山ほど!(2002/03/21)

*八卦掌に嵌りそう(2002/03/02)

*枝葉太極拳?(2001/12/09)

*少しだけ自慢話を?2001/11/26)

*1年間の垢を洗い落としてきました2001/11/3)

 

            

 

 

1年間の垢を洗い落としてきました

 先月下旬から、毎年のことながら阪神太極拳愛好会の訪中団に参加して、天津市に行って来ました。これもいつものことながら、明老師とのマン・ツー・マンによる充実した練習により、どうしても知らず知らずに身に付いてしまった変なくせや、思い違いの部分を徹底的に直していただきました。

 折角、教えていただいたことも、時間の経過とともに忘れてしまっている部分もありましたが、みっちりと陳式1路及び2路の確認ができました。

 どんな種類の太極拳であれ、どれだけ身体に不必要な力を抜くかが大切で、今回も「不用力」と指摘をされる部分がありました。また、打つなどの動作も、打ちきるように、もっと大きくするようになりました。そして、全体的に動作ももっとゆったり(勿論、速い部分は速く)と行なうように心掛けるようになりました。

 こういう機会がないと、独り善がりの太極拳になってしまい、どうしょうもなくなるところですが、幸いにも1年に1回の数日だけの練習にもかかわらず、1年間の垢を洗い落とすほか、相当の宿題も得られる有意義な練習を楽しんできました。

 なお、天津でいつもお世話になっています程派高式八卦掌の老師3人が来年2月に来日され、老師による特別講習会なども予定されています。(詳細が決まりましたら情報コーナーで案内をします)

           

 

 少しだけ自慢話を?

 訪中の続き話を、実は今回の訪中前は仕事に追われ、練習も十分でなく、体調も最悪の状態でしたが何とかなると多寡を括っての参加でした。

しかし、老師の目にごまかしは効きませんでした。すぐに練習不足を厳しく指摘されてのスタートとなりましたが、帰国する前日には、何とか全体の80%は出来ているとの褒め言葉と、ようやく次の扉の鍵を見つけたみたいだと言われました。これには心から感激しました。

明老師とも、既に10数年の関係で、最初の数年はお客扱いで褒めてもらってばかりでしたが、ここ数年はそれなりに厳しさも、優しさもある指導でした。今回の言葉は、そうした経過を経てのものだけに、最高の宝物になりました。

そして、今回の訪中で気づかされたことは、何のことはありません。素直な目で見る心が如何に大切であるかということでした。素直に見ていたつもりでしたが、どこかで歪んでみていたようです。

今は、毎日1時間の練習を日課にして、頑張っています。

              

 

枝葉太極拳?

また、明老師の続き話を!

実は、明老師の指導法は、手、腕の動きだけを指摘するようなことは、余りありません。常に腰と重心から手、腕の動きを示すだけで、何処々々の位置に手を持っていくようにというような指導はしません。幹を育てることに主眼があり、幹さえ、しっかりと育てば、枝葉は自然に育つというようなもので、腰と重心さえ出来れば、手、腕の動きは、そんなものは放っておいても出来るようになるといっているようです。私も全くの同意見です。

だから、私も人には、余り細かなことはいいません。それぞれが伸び伸びと楽しみながら幹を育てるような太極拳の練習をすればよいと思っています。

               

 

八卦掌に嵌りそう

仕事が忙しくて、HPでは案内できませんでしたが、先月16日から25日までの間、阪神太極拳愛好会と程派高式八卦掌日本連絡処の主催で劉樹行老師(高式八卦掌総幹事)、戈國良(八卦掌専業委員会会長)、李学義(八卦掌専業委員会副会長)の3老師が来日されており、精力的に講習をされていました。

3老師とは、天津市に訪問した際には、いつも非常に親しく交流をさせてもらっていますが、太極拳の修練が好きだし、その好きな太極拳の練習時間を割いてまでというようなことで、今まで一度も指導を受けたことはありませんでした。

しかし、今回は折角、日本までお越し頂いたということで、たったの3時間という短い時間でしたが、しっかりと基本的な掌型と歩法を学ばせてもらいました。

老師の指導の中の短い言葉も、真を突く、的を得た分かりやすい内容で、八卦掌の合理性を知り、当分こっそりと練習することにしました。多芸は無芸に通ずることになるかもしれませんが、これまでも殻に閉じこもることを自分への戒めとしてきましたので、納得するか、飽きるまでは楽しむつもりです。

でも、毎日の太極拳の練習に加え、また一つ増えたのは正直キツイ面もあり、いつまで続くやら・・・・・・・!

 

          

 

初級のベテランが山ほど!

先日の友人同士の会話から、「初級のベテランが山ほどいる」という言葉が聞こえてきました。勿論、太極拳についてのことで、経験年数は長くても、一つの壁を越えることができない人ばかりで、次に進むことができず、初級の段階で足踏み状態の人が実に多いということを言ったものです。

更に、その関連で又も聞こえてきたのは、「やればやるほど下手になる練習」です。これは、次の段階に進むことができる段階でないのに、型慣れだけをしているせいで、全く関係のない動作などを加えたりして、ますます上達を妨げることを自らしていることを指しています。(ともに所々聞こえてきた言葉で、当事者から確認はしておりません)

そう言われれば、ある時期、余計なことをしていたこともあっただけに、耳の痛い言葉です。特に練習中でも、人に見られ手いると少し派手目の動作をしたりしていたことが、おもいだされます。

会話の主の発言の発端は、初心者に対する指導、とりわけ初級段階での腰の回転・動きの指導軽視に問題があるとしています。多くの指導者は、まず型(動作)を覚えさせることを最初の一歩としているが、人間が歩くことを始めるのと同様、分けれる性格のものではなく、一体として取り扱わなかったことの後遺症だとしています。

卵が先か、鶏が先か、ではありませんが、興味ある指摘だと思います。

           

 

武術太極拳競技大会迷観戦録?

先日、2002年全日本武術太極拳競技大会を見に、尼崎市にある記念公園総合体育館まで行ってきました。この前日には武術太極拳のジュニアオリンピックが盛大に行われていたと体育館の関係者が話されていました。

早速、大会関係者の一人である友人の案内でコート側の関係者席で観戦をさせてもらいました。

観戦は時間の関係もあり、見ていて楽しい第1コートで行われていた長拳、南拳、刀術、及び剣術にしましたが、昔に比べ、高さ、速さなどのレベルが格段に向上しているのに驚かされました。若い人がコート一杯にキビキビ動いているのを見ているだけでも気持ちがいいものです。

太極拳とは表現方法は異なっても、武術として求められる内容は同質であると思い、剣術の表演について、審判もどきのことをして、楽しんでみました。総じて、点数の出なかった選手の動作は、つまずいた等のミスを除き、持っている剣の動作が切るなり、突くなりの動作目的が曖昧であったり、剣を持っていない方の手に問題がありました。

太極拳でも、動作を虚実や陰陽を例にする場合がありますが、この場合、虚と実、或いは陰と陽は対立関係にあるのではなく、両立融和させることが目的で、先ほどの剣を持っていない方の手に問題があるというのは、剣を持っている陽の手と剣を持っていない陰の手の双方のバランスが崩れており、もう少し、陰の手にも意識を持っていけば、格段によくなると思います。

最後に、会場内で一部の関係者同士が若い人は長拳、私ら年寄りは太極拳というような会話が聞こえてきましたが、これは太極拳を全く理解していない、大間違い発言であり、関係者の中にこのような人がいることは本当に残念なことです。

 

            

 

力まず、しなやかに

最近、よく体操競技を観戦する機会に恵まれます。体操競技については、オリンピックの時など、たまに見る程度で深く見たことはありませんでしたが、練習時間も含め熱心に見ていると、いくつか気がついたことがあります。

上手な選手ほどは、大技に入る前の瞬間も含め、身体全体が実にしなやかで、のびのびとしていることです。それに比べ、少し劣る選手は、余分な力が入り、身体全体が硬くなっています。

また、よい選手ほど道具(機械)の力を全てうまく使い、自分の味方として、自分の演技に取り込んでいます。

太極拳に限らず、体術の要点は全て同じであると改めて認識しました。

話は変わりますが、来月から、17、8年ぶりに簡化太極拳を指導?することになっています。対象者の状況も把握していませんが、本当に太極拳をしてよかったと思われるような機会にしたいと考えています。

次回は、その四苦八苦な模様でも報告をします。

 

                 

 

苦戦しています

  先月初めから、10人足らずの女性に太極拳の指導を行っています。指導に行くまでは、「腰で動く」「姿勢をまっすぐ伸びやかに」「目線をしっかりと」「虚実をつける」等々を、うまく伝えたいと思っていましたが、運動不足のお手伝いでも出来ればと思い、ストレッチを十分行いながら、ノンビリと簡化太極拳の型を教えています。

もちろん、目指すべき方向はしっかりと理解してもらわないと、自己満足太極拳で終わらせることになるので、少しだけ難しいことにも触れていますが、型を覚えるだけでも大変なようで、指導を受けている方も苦戦していますが、どうすればいいのかと指導している方も苦戦しています。

当分、身体慣らしをしてもらいながら、今年末ぐらいを目途に一通り終われればと思っています。また、教えているなかで、面白いことに気づかされることもあります。例えば、「今しがた、太極拳をしながら、何を考えていたのか」と聞かれ、普段、陳式を練習しているときは、注意する点に気をとられてばかりいるのですが、その時は心が無になっていたことに気がついたり‥‥‥‥。

当分、指導の方でもガンバル予定です。

 

                

 

号令式指導法

  初心者の指導は本当に根気を要すると再認識しながら、学ぶ人にとっても、太極拳を楽しむ、折角の機会でもあり、その機会を大切にと、一生懸命取り組んでいます。でも、一生懸命と成果は別物で、どうすれば一番分かりやすいのかについては悩まされています。

 そうした時、たまたま体育館で太極拳教室が行われていたところに遭遇したので、指導の参考にと、正しく覗いてみました。ところが休憩時間であったらしく、受講者が各自自由に練習をしているところで、体育館の真ん中付近で堂々と練習している人の簡化太極拳を見ることができました。練習場所からしても分かるように、相当自信があるようで、型は中々正確だったと思います。

  でも、残念ながら号令式指導法の弱点の見本のようで、全ての動きが、1.2.3、1.2.3、1.2.3.4、‥‥‥‥‥と番号ごとに切れてしまっていました。これは、本当に可哀想だと感じてしまいました。私の友人の間でも、号令式指導の是非については、腰の動きとの関連を含め、色々と議論のあるところですが、実は私も号令式で教えています。

 そして、型が切れ切れにならないように、1223311221‥‥‥‥‥と説明しながら、1つずつの動作の連環性についても、少しだけ触れ、伝えようとしていますが、中々そこまで至らないのが現実です。とにかく、焦らず楽しんでもらえたらいいのかなぐらいの気持ちをもって、気長に私自身も楽しんでいます。