山村暮鳥
「風は草木にささやいた」



  
 耳をもつ者に聞かせる詩


 
これが神の意志だ
 
この力の触れるところ
 
すべては砕け
 
すべて微塵となる
 
高高とどんな物でもさしあげ、ふりあげる此の腕
 
そこに此の世界を破壊する憂鬱な力がこもつてゐるのだ
 
娘つ子はこんな腕でだき緊められろ
                              ヽ ヽ ヽ ヽ
人形のやうな目のばつちりしたあかんぼに
 
むくむくと膨くれた乳房が吸はせてみたくはないか
 
それも神の意志だ
 
これも神の意志だ
 
言へ
 
自分達こそ男と女の神様なんだと