山村暮鳥
「風は草木にささやいた」



  
 歓楽の詩


 
ひまはりはぐるぐるめぐる
 
火のやうにぐるぐるめぐる
 
自分の目も一しよになつてぐるぐるめぐる
 
自分の目がぐるぐるめぐれば
 
いよいよはげしく
 
ひまはりはぐるぐるめぐる
 
ひまはりがぐるぐるめぐれば
 
自分の目はまつたく暈み
 
此の全世界がぐるぐるとめぐりはじめる
 
ああ!