竹久夢二「青い小径」


    


          む
 それは「無」といふ
 
 小つちやな家に
   む
 「無」といふ
    ばあ       す
 お婆さんが住んでゐました。
 

  ひとり  をとこ   あくび
 一人の男が欠伸して
 
 さうして
  くち
 口をふさいだら
  いへ    ばあ
 家もお婆さんも
 
 なくなりました。



BACK戻る 次にNEXT
[竹久夢二] [文車目次]