竹久夢二「青い小径」


    たそがれ


                  かな
 たそがれなりき。悲しさを
  そで
 袖におさへてたちよれば
         はな
 カリンの花のほろ/\と
  かみ          にほ
 髪にこぼれて匂ひけり
 

 
 たそがれなりき。
  みち
 路をきく
         わか たびびと
 まだうら若き旅人の
  まゆ  ほくと
 眉の黒子のなつかしく
 うしろすがた
 後姿の
  な
 泣かれけり。



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