竹久夢二「たそやあんど」

   はる  ゆき
  春の雪


  れんが ぢ   あさ  ゆき
 煉瓦地の朝の雪
                ふみごゝち
 オーバシウスの踏心地。
              で
 ふらり/\と出てくるは
  い き   せ びろ  うす  ひげ
 意気な背広の薄ら髯。
          やまざき
 「ちよいと山崎さん――あばよ」
 やなぎ
 柳がくれに
               はる  ゆき
 ちらりほらりの春の雪。



BACK戻る 次にNEXT
[竹久夢二] [文車目次]