竹久夢二「夢のふるさと」


   
  枇杷のたね


 
 枇杷のたねをばのみこんだ。
 
 おなかのなかへ枇杷の木が
 
 はえるときいてなきながら
 
 枇杷のなるのをまつてたが
 
 いつまでたつてもはえなんだ。