簡易赤道儀の製作(1) もどる 
- 準備編 -

今年の夏は休みの日が雨や台風で流れるのが多かったですね
せっかく撮してきた星空写真なのに、星が流れてるし色も無くてつまらなかったのでこの際、季節感の有る星空の写真にすべく赤道儀作りに挑戦しました。

天文マニアのHPを見る限り一般用カメラでの撮影なら単に地球の自転に合わせて1軸の回転運動をさせれば良さそうです。さてさてどんな物ができあがるでしょうか

カメラ歴、工作歴は数十年と長いのですが天体観測には全くの素人ですのでおっかなびっくり、一コマの写真のための工作記録です

テントから身を乗り出して星見中

どんな写真を撮るか★

オリオン座やサソリ座などの季節感を演出出来る星座。真っ暗なだけの星空だけでは無く、星雲や天の川などの星以外の色彩情報などで季節感を味わえる星空の写真

あわよくば肉眼で見える、流れ星や彗星なども撮すために数分間のバルブ撮影が必要。これらを有る程度表現するために必要な、10分くらいまでの星野追尾写真を目的とする

星を撮影するための注意点★

[ 露 出 ] 北極星付近はゆっくり動いてるので明るく写り、天の赤道付近は早く動くので暗くなる
       従ってそれに合わせて露出を調整すること、又どんな超望遠でも恒星は点像にしかならない
       絞りは開放、焦点は無限遠で撮影する

[ 色 彩 ]  天体写真では色を持っているのは火星や一部の恒星くらい、天の川や星雲が紫や濃紺などの
       色を持っているが、それらは5,6分以上の追尾撮影でないと光線が足りず撮影できない

[ ブ  レ ]  地球は24時間で360度回転している、1時間に15度、4分で1度
       回転の円周方向でも15秒くらいまでなら恒星はぶれずにほぼ点像として映る

星の動きを知る★

中心となる北極星の仰角は23.1度なので、天の赤道(回転の半径部分)も傾きが有る
恒星は、北半球では北極星を軸として、反時計方向に24時間で一周している
一時間で15度、四分で1度、一分で0.25度 づつ動いている

赤道儀のサイズを決める★

集成材というでデジカメ用赤道儀に向いた材木を入手しました。カメラが600gで11cm四方の大きさですから、この12cm角の木にぴったりです。メカニズム全てをこの材木に合わせて作ることにしました

仰角1度分の調整に必要な高さと、ヒンジの中心から動作点中心までの距離は三角関数のtanという関数で求めます

tanθ(1度) = 0.017455064928217585765128895219728 ですから、右下の図で

AとBの間が115mm だと2.0073324667450223629898229502687 になりますので

BとCの間はほぼ2mmでよく 115ミリの位置で2mm上げてやれば角度が1度上を向くことが解りました (上の図ではMの値) 

Lの値が、230mmでもMが4mmと切りもいいのですが少し大きすぎるし、そんなに距離があると各部品のたわみや変形も大きくなる

偶然とはいえ切りの好い数値ですのでこの115mmnのサイズで作ることにしました(Lの値)


WinXPに附属の関数電卓にて計算しましたが、始めて関数電卓が役に立ちました w(~o~)w

簡易赤道儀の種類と方法

今回制作するのは天体の回転方向のみをトレースする方式とし、極軸あわせはヒンジ軸方向を北極星に向けて対応する 。対象とする星の追尾は、ヒンジ状の台を作りその開角度をボルトのねじ込み操作で開閉する構造にする

参考資料 ( 天文マニア達の作品 )
  • http://homepage3.nifty.com/yamaca/hakbtu/60pal.htm
  • http://homepage1.nifty.com/himeten/Phot.htm
  • http://www2.hamajima.co.jp/~tenjin/ypc/ypc00z.htm
  • http://www.kumagaya.or.jp/~carl/sekidougi.html
  • http://www.asahi-net.or.jp/~EP3N-KIZM/astro/scope/kirin-eq.htm

調節ねじの精度を確保しながら、簡単な構造にするには

1) ISO M6のナットをベース台に埋め込んでプレート部分にボルト部分を取り付けてベースを押し出す形にする

2)  つまみの下、アルミ板の下側に当たる位置のボルトに横穴を開けてピンをいれ直接アルミ板を持ち上げる構造にする

3)  ナット類は締めつけて固定すると膨張や振動などでゆるむ事が有るので、熱成形樹脂で本体と一体化する

 

これで、理論の部は完了、これらの情報をふまえて製作に掛かることにします
とはいっても土台のサイズが決まっているので、問題は関連部品の構造とサイズだけです
周囲にある材料を集めて製作を開始しました


 簡易赤道儀の製作 (2)
- 工作編 -

●切り出した各部品に基本パーツを取り付けて

能動部品を配置しました。基本部が完成です

�フ�゚�ラ�ネ�タ�リ�ウ�ム�ソ�フ�トの�メ�ー�カ�ーへ
アルミ板の切り出し、厚さは2mm 切り出したアルミ板と各種のねじ
偶然見つけた12cm角の集成材は色んな部分の木をひとかたまりに接着してあるので変形しにくいんです

  • 上がベースとなる材木、下が可動部になるアルミ板

  • 右側の黒い物は古いカメラのハードケースと固定ねじ

      今回はカメラを支持するねじを外して利用します

  • 下側にロングナットを着けたボルトを熱成形樹脂で固定中

  • こうして完成状態で固定しておくと、冷えて固まれば完成

    (このねじだけは英国規格のインチピッチで1/4wです)

  • 各部品を所定の位置に組み付けた

  • 奥にヒンジを埋め込み、手前には可動部開閉のためのナットを埋め込んだ
  • 中央の凹みには蓋のつまみが潜り込む

    (下に埋め込んだナット用の黒い樹脂が見えています)

  • ボルトに穴を開けて割りピンを入れた

  • アルミ板との間にワッシャーを入れるつもりだったのに工作ミスで入らなくなった(^^;

  • 割ピンを太めの針金にしたらアルミ板との滑りが良くなったのでワッシャーが無くてもOKに

  • 開閉のためのボルトを取り付けた

  • アルミ板中央部のがカメラ固定 のねじ

  • 手で回すボルトには大きなつまみを取り付けた
     
  • チューブ入りワサビのキャップのギザが丁度良かったので高さを半分にしてボルトの頭に固着した

何となくねじ類を塗りつぶしていたら牛さん風になっていた 天版にはゴム板を張り付けた
ラベルもダイヤルや指針、説明書をかっこよくデザインして見ました
気が着くとカメラ風

★ ヒンジの部分に細い蓄光テープを貼り付けた。強い光を

当てるとしばらく光るため、北極星に向けやすくなった。

        さあ これでテスト撮影に出掛けましょ(^o^) 


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