10 定規とコンパスによる作図

 いよいよ、ではここでその平面スケールを使って、等分問題、すなわち、定規とコンパスだけで、与えられた角(ここでは90度以下)の作図に取り掛かります。平面スケールは定木とコンパスだけで作図可能であることはすでにお示ししてあります。ですからここでは、平行線も作図可能とします。コンパスを1rに決めて、点取りだけで3等分点を得る作図です。2本の赤い線が等分線です。20回以下の操作でできました。右図、90度より少し小さい角を取りました。

図j.a 図j.b

 まず、a,o,b の扇と中心線を決め a,o に合わせたコンパスで 1r,2r,3r までの点を取ります。そして中心線で最初の扇を3rまで平行移動します。
図j.c 図j.d


 次にコンパスを 1r×2 に広げ、a点b点から内側に向かって弧を取り、a'点b'点を決めます。右図は隠れた部分をみな表示した図です。
図j.e 図j.f

 左図、赤丸はコンパスを立てる点です。扇が平行移動していることが分かります。右図は扇の回転移動を表します。
図j.g 図j.h

 もしa'点b'点が複素数平面上であるとすれば、平面スケールは複素数の計算もしていることになります。
図j.i

 図形において解は二次式(平面によって)によって求められることは、古くから知られていました。そのもっとも古典的なものは「ピタゴラスの定理」です。

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