9 スケールの移動

 図左は1rに90度の扇が1つ、3rに45度の扇が6つありますが、これは6個の扇の1、3、5番目の扇を反転すれば3個の扇になると考えます。すると90度の扇が中心線をもち、45度の扇の性質をそのまま受け継ぐことが出来るということです。
 次に右図、グラフy=xの線上に3rまで平行移動します。ご覧くださると分かりますが、この時点ですでに三等分線を引くことができます。ですからここで作業を終わってもよいのですが、分からないということもありますので、平行移動した扇を左に30度、右に30度、今度は回転移動します。これで、半径は3倍になりましたが扇は3等分することが出来ました。これが2次元スケールの威力です。

図i.a 図i.b


 次に一般的な角θについて考えます。ここでは90°以内で考えます。これが大切なことだからです。角θの扇を書き、中心線に沿ってθ/2を3r分θ/2方向へ平行移動します。次にθ/3右(-)方向へ回転移動し、元の扇をθ/3左(+)方向へ回転移動します。これで、45度、90度、一般的な角について考えました。
図i.c 図> i.d


 左の図は90度の扇ですが、平面座標に乗せると、上下斜めに平行移動していることがはっきりと見て取れます。右の図は90度より小さい一般角ですが、座標を角度に合わせて斜めにします。すると斜めのマス目でも正方マス目と同じように平行移動が成り立っていることが見て取れます。後は左右の扇を上下に回転移動にすればよいだけです。
図i.e 図i.f

 このように、平面スケールでは、最初にできた形、ここでは三角形あるいは扇ですが、それを単位として平面上を考えます。こうして数直線上の加減乗除平方根(線型計算)を超えて、弧を等分することが可能となりました。しかも直行(90度)座標を1/2(45度)に倒しても、90度に広げた扇が、そのまま比率を保って1/2(45度)に広げた扇になります。これはコンパスで「偏微分計算」したことになります。
 次回に続きます。

【前頁】【初頁】【次頁】