11 2等分法の拡張

 径と角の間に関係があることは大体予想がついたと思いますが、これは2等分法を考えることで明らかになります。ふつう角を2等分するときは最初のコンパスの針を立てるときの点を適当にとりますが、これを1rとします。すると2等分点は、1/2:1/2 で取ったということになります。

図k.a


 ならば、1r、2r、3r と取り、3/1:3/2 と回せば3等分点を取ることがっできるはずです。a'、b'をそうだとします。この考え方でいけば、1/4:2/4:3/4と取れば 4等分、1/5:2/5:3/5:4/5 で 5等分することが出来るはずです。
図k.b


 図を見ると分かりますが、3等分点 a'、b'は二等辺三角形の底辺(上にありますが)にできています。そして等分線(赤線)は弧まで届いています。底辺を 3等分した比をそのまま弧にも反映されているのでしょうか。これを調べるためには合同の 2等辺3角形が 2つできてればいいのですが、それは b,b"の中心がa"で、a",aの中心が b"であることで証明できます。
図k.c

 今度は、直線から曲線、曲線から直線の間がどうなっているかですが、左図で折れ線で見つけることができるのではないかという見当をつけました。そして曲線の等分点と直線の等分点の交点があるかどうかを調べます。まず、円を正方形で囲むと、90度、45度が二つの間の関係を示す特別の角度であることが分かります。さらに、直線だけを考えれば、45度が限度です。そこで、下の左図は45度の扇を三等分し、それを挟んだ直角二等辺三角形も三等分して、その交点がどこにあるかを調べました。その二つの交点も直線上にあって、その線によって直角二等辺三角形が二つの三角形になります。符号は適当につけてしまったのでややこしくなりましたが、真中図のc点です。この点をo'とp'点の間を中心に向かってスライドさせると、45度以下の角において自由に等分点が出て来るのではないかという予想も立てられます。
図k.d

 このように予想できるのは、円は有限の角を持った多角形であると考える時だけです。こうして単位を決めさえすれば、曲線と言えども直線との関係があると考えることができます。しかしこれも45度以下において現れる比例関係であって、この角を超えると成り立たなくなります。
図k.e

 図は45度を9等分したのもです。ここで大事なことはコンパスの長さの比率さえ合わせれば、角度を表す線上に点が出ることです。これは二等分するときと同じ原理です。図は一応一直線上に揃えたに過ぎません。

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