19 光の反射から

 今までは弧と直線との関係で考えてきました。しかしこれではなかなか完璧な証明に至らないようです。そこで今度は2つの異なる弧の間の関係で調べることにしました。光は反射板に直角で当たれば直角で跳ね返ってきますが、角θで入射すれば角-θで反射します。

図s.a

 弧に当たる線を光と考えれば、弧に対して接線で直行するものだけが原点oに返って来るはずです。仮に90度の弧と60度の弧を重ねた場合、光は一部透過すると考えて、散乱するものを消して原点に返って来る線だけを描けば、左3等分右3等分で考えて図のようになるはずです。
図s.b

 経度法の図で光の性質がどう働いているかを見れば、2rの赤線も3rの赤線も1rで直行で入っています。これはたとえば、4r、5r、6rも角度は1rとの関係で成立していることが分かります。
図s.b


 このように光の場合は、どんな曲率を持つ弧面であっても正確に直行線だけが原点oに返ることになります。これは最小作用の原理で弧の曲率の違いは力学的な段差に当たります。ですからこの原理をつかった作図もできます。

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