20 反射による作図

 ここまでは、弧と角の比例関係からの作図を考えてきましたが、ここでは光の反射の原理を使っての作図を試みます。
図t.a

 与えられた角の弧を描きます。それに適当に三等分点1、2、3を取りますが、o,b線をはみ出すようにします。点aにコンパスの針を立てて、点3から点cを決めます。
図t.b


 a,cに補助線(直線)を引き、補助線の中心から直交の線を引いて補正のための角と弧の点o’を決めます。 このようにして補正のための弧をもう一つ作ります。
図t.c

 補助線は邪魔になる(必要でない)ので消しました。点o’から弧を描きますと、半分ですが三日月が出てきました。この外弧に1、2、3点の仮の三等分点を写し、点1’、2’、3’が決まったら、そこから原点oに向かって三等分線を引きます。実はこの方法は三等分を最初に見つけたものですが、そのためか、角の等分の「規則性」を見つけることは容易ではありませんでした。経度法が見つかって、径と弧の間の比例関係が見えてきたのです。ところが、この二つは曲率の補正の仕方が異なるので、その意味を探索するのに、また時間がかかってしまいました。原則的には定規を使ったりコンパスを回すことはそれほど苦になりませんでしたので、作図をしている間は楽し時間でした。だからこそここまで来れたのかも知れません。

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