2 比は必ずある

 物理を勉強して思ったことですが、物質、力、温度、圧力、密度、長さ、時間などなどいろいろな要素があってそれらが互いに関係づけられています。例えば最初にお目にかかったのがニュートンの三つの法則ですが、その中に、「力=質量×加速度」があります。掛け算の場合は反比例ですが、これに類するものが次々と出てきます。これだけで僕なんかは全部調べた訳ではないのに、自然は比でできていると思ってしまいます。一体、自然の中に比例とも関係のない、相互作用とも関係のない、そんな要素があるのでしょうか。宇宙を勉強しているときに、空の遥か彼方の星が爆発して僕らのからだの元素(材料)が作られたと教えられましたが、関係と言うことから考えれば宇宙は一体です。もちろん関係式は孤立系で考えますから、全部からめてしまうとややこしくなりますから、二体問題として考えますが、実際は複雑に絡み合っているのでしょう。授業で「N対問題」と言うのがありました。その中で厳密には「二体問題」以上を考えることは不可能であるが、「保存量」で迫っていくと本質が見えてくる、と言う件がありました。やっぱり、自然は有りっ丈の全要素が比例関係で絡み合っているのだという考えに、自分なりに確信しました。

 自然は比例で成り立っているからこそ「なるほど」と思えるのではないでしょうか。たとえば、手品では右のポケットに入れたハンカチを、今度は左のポケットから出します。見ている人は「どうして」と思います。これは右ポケットにハンカチを入れたのですからここで足し算されましたから、右ポケットから引き算しなければなりません。ですから左ポケットで引き算したのでは理屈に合わないのです。ですから不自然です。自然でこんなことがあってはいけません。自然は掛け算割り算でなければなりません。そのもっともよい例が「ルービックキューブ」です。

図b.a

 これは一昔前大変流行した玩具ですが、これの遊び方はもうご存知のこととします。この玩具の原理は掛け算(まわす)と割り算(もどす)の世界で決して足し算引き算(理由のない数の出入り)は行なわれません。そのため、最初の状態は必ず保存されます。自然界が比例なら、それを扱う論理体系も比例でなければなりません。三倍にしたものなら三等分することができます。三分の一にすれば、それをそのまま三倍にすればよろしい。僕が三等分はできると確信したのはこれです。ここはπの世界ですから、無理数か複素数が出てくるのでしょうが、それを定規とコンパスで計算させる方法を考えればよいということです。
図b.b

 等分の前にまず等倍を考えます。簡単ですすぐできてしまいます。コンパスを2回廻すだけです。だったら等分もできるはずです。無い脳みそでも絞ればでてくるはずです。

【前頁】【初頁】【次頁】