27 角の量子的性質

 何度か申しましたが、等分点 a'、b' に到達できたのは、数直線×数直線としての平面上にではなく、2次元スケールを使っての複素数平面上に求めることが出来るようになったからです。僕らが見る円は滑らかに弧を描いています。しかしπは2等分原理によって180度90度45と切っていくことが出来るとすれば、ミクロの領域では多角形となっているに違いありません。もし完全な円または球と言うものがあるとすれば、それは四則演算に乗せることが出来ない別世界のもの(another world)でしょう。ここでは、量子的性質について考えます。

 量は必ず単位で測ります。容積を測る升は近似値を得るものとしてここでは考えません。リンゴとかボールのような個数があるものとします。すなわち、自然数で割り切れるものとの前提で考えていきます。πは 3.14・・・・となって決して割り切れる数ではありません。しかし円の場合、径をモードとしてnr上の円周を1rの倍数とします。直線ではそうなりませんが、1rの弧を「⌒」で固定し、「⌒⌒⌒・・・」としていきます。円周は常に1rの倍数ですからいつでも割り切れます。これを「円または角の量子的性質」とします。この性質を持つことは重要な意味を持つことになります。

 僕ら人間の経験では、長さは常に幅を持ちます。どんなに直線的に延びる道路を考えても幅がありますから、車は蛇行して走ることができます。高速道路で100mに一台で走っている場合には、この車は質点として考えても差し支えありません。だから前の車が遥か彼方である限り、速度を自由にすることができます。ところが車がインターからどんどん入ってきて、渋滞となります。すると走る速度に制限が加わります。もはや質点と考えることができなくて、車の幅と長さを考慮しなければなりません。しかも、車と車との間には余白があります。量子の世界ではこの余白も考えなければならないのです。こんなことを量子論の勉強から考えました。

 次に「余白」について考えます。(図z.a参照)1x、1yの正四角形の座標の中に一つの扇を入れますと必ず余白が生まれます。ところがこの余白は計算から除外していいことになります。たとえば、ラグランジュの公式(L=T-U)では、運動方程式に含まれている位置エネルギーは無視してよいと言うことになります。これと同じではないかと考えたのです。図は扇の形をしていますが、その中に小さな扇が黄色で塗られて並べられています。この一つ一つが粒子で、計算できるという意味で「量子」です。ですから、角(円)の中では「量子の集合」のみを計算対象とします。そして余白を別枠と考え計算から外す。これが量子計算の重要なポイントです。この余白は量としては考えなくてもよいのですが、自然界では重要な意味を持ちます。自然世界では「作用の次元」と考えてよいでしょう。ここは量の世界を超えた精神、価値、意味、観念、イメージの領域ということになります。もはや自然科学を超えて、哲学、芸術、人類のありとあらゆる知的資産が活躍できる領域とします。ですからこの余白を考察していけば、次から次と謎が解けていけそうです。

 。 。 (2013/7/16)

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