29 孤高の円

 大宇宙のダイナミックスを考える所まで来ましたので、宇宙を大きな球で考えたいのです。そこで先ず円から始めようと思い、「円の数学」についていろいろ調べました。ところが「ポアンカレ予想」などと言うものが現れて大変です。数学は素人を寄せ付けない圧力を持っています。こんなことに滅入っていられませんので、出て来る数式を眺めていましたが、円の数学はそんなに豊かでないことが分かってきました。でもこれでは困るのです。自然はほぼ波で表記できる所までは分かってきました。波は円をまたは球を分割することによってできます。そのもともとの円(球)が自然の本質にどうかかわってくるかを考えたいのですが、なかなか見つかりません。こんな美しい図形が居所がないとはどういうことでしょうか。波を考えるとき、径度法と同じように同心円をかきます。径度法では半径を持つ扇を入れていきます。そこで扇ではなく、円を入れていけばどうなるでしょうか。

図γ.a

 同心円は半径ではなく直径でしか書けないこと、ここが径度法と違ってきます。しかも、3直径目で円のすわりが良くありません。円は円でしかない。どうやらそのようです。このことを僕は「孤高の円」と呼ぶことにしました。そして円は最初と最後を決めること、また内部を区分するときは上(表)と下(裏)を決めることです。これが円においてはきわめて重要なことだと思います。

 

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