4 曲線での試行錯誤

 いよいよ曲線の考察に入りますが、直線は連続と考えてもある程度はよいと思うのですが、曲線ではそれはまずいようです。ここまで45度で作図してきました。むしろ45度に拘ってきました。なぜ45度なのか。それは45度を超えるとまずいことが起こるのです。三角形に鋭角・鈍角の区別がありますがこれには理由があってこの理由と共通するところがあるようす。角には90度、45度には重要な境目があります。曲線にはそれを作るための中心点を必要とします。例えば円の場合、中心点と半径を決め円を描きます。楕円の場合は中心点は二つ以上必要です。このことから曲線には円の性質を内包していると考えました。これは曲線は面で考えていけばよいということを意味します。下の図は三角をすべて扇にして平行線から放射線上に移しました。

図d.a


 扇が1rに1個、2rに2個、3rに3個入っています。扇はすべて合同ですから2r目は2等分、3r目は3等分されています。これが曲線は面の性質を内包しているということの意味です。角の等分を考える場合、直線の論理だけでは不可能ということがこれで分かります。ところがことはそう簡単ではありません。下の図は角度を60度に広げて作図したものですが、どうでしょう。何か変です。
図d.b

 よく見ると、3r目のところではよく分かるのですが、少しだぶついた服を着ているようです。はじめは作図誤差かと何度思ったか分かりません。ですがそうではありませんでした。弧は45度以下において弧と度との間で比例関係を表わし、45度を越えたなら、それは崩れることがはっきりしました。この苦労は大変なものでしたが、苦労は決して無駄とはなりませんでした。この発見がなかったなら、まだまだ模索していたかも知れません。
 円周曲線はマクロでみる限り滑らかな連続の線のようです。しかしミクロで見るなら粒の集まりではないか、そう考えました。直角で正方形が作られますが円とはかなり違います。ところが2等辺3角形を8つ集めると8角形ですが、かなり円に近づきます。12角形ですとほとんど円です。等分問題で分かってきたことは円周曲線はいくつかに区分けされて出来ていると言うことです。僕は宇宙を知りたいために数学を始めたのですが、こんなところに自然の本質を考える材料があったということに驚いています。

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