5 ダイヤモンド・ミステリー

 ダイヤモンドに魅かれない人がいるでしょうか。ただの石ですと言えばあまり価値は認められません。最近ではその硬さと言う性質が工学的な価値があるというのでいろいろな製品に使われています。しかしダイヤモンドの価値は、その妖しい輝きに心が魅せられるところにあります。余計なことはここまでにして本題に入りましょう。
 図は正三角形のダイヤモンドです。これをどうすれば、径と度が比例していることを見えるようにできるでしょうか。まず、図の逆三角6個には色を塗りました。これは色のついた三角に着目するためです。右図は大中小の三角形を重ねたものです。

図e.a 図e.b

 各三角形に中心線を入れ、それぞれに帽子をかぶせます。右図も帽子をつけて扇型にします。
図e.c 図e.d

 左図は3r目の三角形を扇にして中心線を原点oに向けます。右図は大中小すべての扇を上へ吹き寄せます。
図e.e 図e.f

 それぞれにa'点、b'点が現れますが、これは角の三等分点を示す点です。
図e.g 図e.h

 先に60度角では比例が崩れることを見ました。しかし、中心線を入れれば、比例関係が復活します。この中心線がミステリーを生みました。それは中心線が60度を30度の三角形にしたからです。こうして中心線によって、等分は90度(直角)まで可能となります。ここまで見てきたように、三角形、それを扇にした形が平面の中で活躍してきました。こうして線だけでは不可能であったことを「平面が平面の中を計算する」ことによって可能としたのです。

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