7 ーa を考える

 ここでは x3-3x-a=0(角の3等分の式)の中の -a(マイナスa) について考えます。ですから前章(角の3等分不可能論)の続きです。-a=0 にすれば 90 度において 3等分可能となりますが、その意味はy=x0(x軸)のことです。しかしここでは、aは「余り」と考えるとまた違った側面があらわれます。なぜなら、右の図を見てわかりますが、余りとは1升の中に見られる斜め線(赤線)から半径を引いたもの √2-1 だからです。図には扇の部分に色を塗りましたが、この扇を関数の低と考え白い部分を余りと考えます。前回では、これをaと考え、座標のy軸を押し付けることによってすべて90度に収束すると言う方法でした。すなわち扇の部分だけに着目し、あまりはあまり気にしないで考察することが出来ます。「直線から曲線へ」の章で、図c.dから図c.e図d.a)への変換を試みましたが、今度はその反対の弧から平行線への変換を試みます。
 左は何と呼ぶか分かりませんのでここでは「円座標」(中心座標:中心から広がっていく座標)とします。右は普通の平面座標です。この時、余りをあまり気にしなければ、円座標から平面座標への変換が可能です。y=x→y=x、y=2/3y→y=x+1、y=1/3y→y=x+2 と変換されています。

図g.a


 変換は形の上では逆っぽくなっていますので、これを反転し下の図のようにします。さらにまた円座標(中心座標)に変換しますと、再び「直線から曲線へ」のところで論じたことが出てきました。このように扇を関数の低として見るなら、扇と径との比例関係があることが明らかとなります。
図g.b


 下の図の左は普通の x,y座標ですが、右は後ほどの説明の理解のために、「中心座標」と名付けることにします。それは原点oは円の中心であることを意味します。その円の中心から遠く離れれば、x,y座標とほとんど変わらない状態になるということです。ですから中心付近の角を x,y座標で考え、ここで考えた比例関係を今度は中心座標に戻すことができます。このように、角度に単位を与えれば、そして角の粒子的性質を認めていただければ、-a を気にすることなく、45度以下(×2で90度)では、この交換は成り立ちます。それは円を格子座標の中に収めると、円を拡大した状態では弧と直線はほとんど同じになることから理解していただけると思います。
図g.c


 このことから飛躍しますが、僕が数学を勉強したのは自然または宇宙の本質に迫りたかったからです。円(球)を限りなく拡大したものを宇宙と考えます。すると宇宙規模でみれが曲線も直線になります。そして宇宙を直線で考えることができます。さらにこの「余り」を量を超えたもの、量として扱う必要のないものと考えました。これは僕にとって大きな楽しみです。

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