8 2次元スケール

 普通スケールと言えば物差しをさします。製図用の道具として○△☆型などが切り取られたものがありますが、これはスケールと言えるものであるのかどうかわかりません。ここでは一定の形をスケールとして扱うことを考えます。弧の場合、1rと2rの間では曲率が変わります。この変化を作図で計算することは不可能に近いというか、不可能でしょう。そこで曲率を変えないためには形を固定したスケールを考えました。これを平面スケール、2次元スケールと呼ぶことにしました。紙型や木型と思ってくだされば宜しいと思います。底辺が定木、弧がコンパスの役割になっています。

図h.a

 3等分問題では定規とコンパス以外は使ってはいけません。ですからこの型を使うというのではなく、これは作図可能と考えますから絶えずこれを意識するという意味です。下の図を見ていただきますと、扇には色を塗ってあります。これは型が移動していると考えます。図形でいえば合同ですがこれは常に1つのスケールが動いていると考えるということです。スケールの扇のところの下の角をa、上の角をbとすると、a、a、b と目盛っていきます。そしてbのところをa'と記しをつけます。
図h.b 図h.c


 場合によっては下図のように、大きさの違ったスケールが幾つかあってもよいと考えます。結果は三等分されているという意味で上と同じことをしていることになります。
図af 図h.e

 平面スケールは円弧を扱っていますから、√だけでなく、πを含む計算が行われていると思います。とすると、等分点はこの内部にありますから複素数の計算も行われていると考えてもよいと思います。次回ではこの平面スケールを用いての様々な作図を試みます。次回に続きます。
図h.f

 ここで、平面スケールを使っての練習です。45度以下なら何でもよいのですが、割り切れる角度ということで36度にしました。r=1 とします。左にrを一つつけると、36/2=18度、2rつけると36/3=12度、1r+2cos36=24度となり、半径と角度は逆比例の関係にあることが分かります。これが平面スケールの威力です。

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