竹久夢二「夢のふるさと」


 
  ふるさと


 
 山のうへから南をみれば
 
 どれが故郷の山ぢややら
 
 わしがかゝさはあの山かげで
 
 夜はよもすがらぎいとん/\
       むすめ
 かあい娘のきものを織ろと
 
 糸をつむいでゐやるもの。