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家系図作成はご自身を始点として、ご先祖様への
道筋を表すための夢のあるロマンの旅です。
地道に一歩一歩築き上げてゆく旅は、
夢で胸が膨らんだり、ある時は癒しを求めて
遠くへ出かけたり、いろいろの時を過ごしながら
終着駅へたどり着く事でしょう。
 そんな時の感動と感激を次の世代へ伝えましょう。





 
1.戸籍謄本・除籍謄本の取得からスタート



  戸籍謄本はご自身からご先祖様へつながる道の入り口になります。
戸籍謄本には、戸主を中心とした戸籍構成員との続柄等が記載されていますが、子が親から独立すると新しい戸籍の編製を行うことになります。
戸籍謄本の内容を基にご先祖様をたどるには、まず本籍地の管轄の役所で戸籍謄本を取得します。 そして前戸主の本籍地が現在の本籍地と異なれば前戸主の戸籍謄本を、更に本籍地が異なれがその前々の戸主の戸籍謄本を取得します。 それにより旧本籍地(旧所在地)がわかります。 なお、戸籍謄本の請求は、郵送でも可能です。

除籍謄本は戸籍法に基づいた人々が全員死亡または転出した場合に、別個に編製された戸籍です。
明治5年に明治政府による最初の戸籍が編製されましたが、その当時は江戸時代のご先祖様の氏名・続き柄が記載されています。 しかし、残念ながら一般には公開されておりません。
除籍謄本の保存期間は80年と法律で定められていますが、実際には保存期間終了後直ちに保存期間の過ぎ部分を廃棄している自治体は少ないと思われます。
除籍謄本の原本は家毎に分類されていますが、殆どコンピュータ化されていないために手作業で年ごとに分類抽出する作業は大変な時間と手間が掛かるようです。

古い除籍謄本には本籍地とその旧地名も記載されていたり、戸主氏名欄に印鑑が押印されています。 これは、江戸時代の古文書を照合する場合に大変役に立ちますので、印鑑の文字は正確に記録しておいて下さい。 印鑑の文字は「篆刻」といって、独特な形状ですが、印章屋の主人に頼めばたいていの文字は教えてくれると思います。




2.過去帳・位牌のチェック
ご自身で家の過去帳を作りましょう。
菩提寺にはご住職が檀家ご先祖様の戒名・法名・俗名・没年月日・没年齢・続き柄等を過去帳に記録・保管されています。 しかし、お寺の過去帳は檀家のご先祖様を、家毎に分けて記録するのは珍しく、殆どのお寺ではその都度日付毎に記録されています。
したがって、月日を遡ってご自身の家のご先祖様だけを過去帳から抽出するのに大変な手間と時間がかかります。

お寺によっては、「過去帳は焼けてしまってありません。」ということをよく聞きますが、それは事実と異なる場合が多いようです。
お寺は戦国時代は砦にされる場合もあり、戦や火事に備えて、過去帳や檀家名簿その他の貴重な品々は土蔵に保管したり、非常持ち出しとして常に持ち出す準備がされていました。 火事で焼失したと云われる理由は、他の檀家の内容を見せたくないからです。 したがって、ご住職に信頼を得ることが大切です。
私の経験では約8割のご住職から焼失の理由で閲覧を断られましたが、何回か訪問して一にも二にも誠意と努力をもってお願いし、やっと過去帳を閲覧させていただくことができました。
しかし中には、「火事で焼失したので無い」の一辺倒な回答で、とりつく島のないご住職様もおられます。

位牌はお寺のご住職より戒名又は法名を命名していただいてご自身で作成することになります。 作成した位牌はご住職に入魂していただいて、その位牌を仏としてお参りが出来ることになります。
江戸時代までは高貴な家では生前戒名を取得していました。 現代も生前に戒名は取得出来ます。

戒名と法名について: 仏教の書物では、「一般の民衆に戒名を授けて法名をあたえる。仏教信者が死ぬると法名を与える」と記載してあります。
現代では、宗派により戒名と云ったり法名と云ったりしています。
一般的に云っている戒名は、「院号」・「戒名」・「士号」によって構成されます。
「院号」は「戒名」の上に付き「・・・・・院」の名称になりますが、平安時代までは天皇家のための号でしたが、現代はお金を出せば一般庶民でも取得できます。 一般的に院号の文字数が多いのは高貴な家又は財を成した家と云われます。 俗に一文字十万円からと云われています。
「戒名」・「法名」は宗派により4文字又は2文字になりますが、ご住職が死者(生前戒名の場合は依頼者)の生前の職業・地位・人格・財産等を総合的に考慮して命名します。 お寺は天皇家や藩主等の権力者の庇護を受けていましたので、金力には弱みがあった様で、財力のある人の戒名は良い文字を使っています・・・。
最後の「士号」は男子は信士又は居士、女子は信女又は大姉になります。
宗派による違いもあります。  浄土真宗の場合は「戒名」は「釋」の一文字が使われます。 浄土宗では「譽」の文字がよく使われます。 日蓮宗では「戒名」の後に「日・・」という文字が入ることがあります。 また、女性には「妙」・「室」の文字がよく使われます。
「戒名」をよく見ていますと仏様の生前の人柄を偲ぶことができます。 またお寺の宗派が見えてきます。

「戒名」の下に「入道」の文字が付くのは、仏門に入り頭髪を剃って実務に付く人で、現代ではあまり見かけることはありません。




3.墓碑は物語る


墓碑の調査はその墓碑に命名されているご先祖様の調査の原点とも云えます。

お墓参りの時に何気なく眺めている墓碑にも非常に多くの情報が隠されていることがあります。 風化して読み難くなった文字も何度も繰り返し眺めていると読めることがあります。 読みにくい文字は知っているいろんな文字を当てはめながら考えて見て下さい。
墓碑文解読のポイントは「墓石とじっくり対話する」という気持ちが大切です。
碑文を正確に解読するには、双眼鏡(×8くらい)が意外に役立ちます。

墓地全体の形や、他の家の墓地との位置関係もよく観察して下さい。
特に、同姓の墓地が近くにある場合は気をつけてよく見て下さい。  例えば、お寺に付属する共同墓地では本堂に近い位置に本家の墓地があることが多いようです。 しかし、方位を考えるお寺では日の出方角を上(かみ)、日没の方角を下(しも)とみますので、東側が本家墓地の位置になります。
戦国時代の墓碑は一族が一緒に配置される場合が多く、墓碑の大きさや主家との位置関係で続き柄や生前の功績が偲ばれます。  

墓碑に彫られた文字は全てが貴重な情報です。 戒名と俗名・続柄・歿年だけを見るのでは不充分です。 まず戒名はとても重要な意味を持っていますが、前2項(過去帳・位牌のチェック)を参考にして下さい。 例えば、夫婦の戒名には同じ文字がいくつか使われます。 「圓嶽院浄心信士」と「圓静院妙心信女」は夫婦で、「圓」の文字が共通です。 また、歿年が彫られているのに、享年がない場合、その人の生存年代の計算が出来ませんが、配偶者や親、子などの近親者の生存年代から推測することが出来ます。 続柄とそれぞれの仏様の生存年代の割り出しを並行して進めることができます。 

墓碑に彫られている年月日は、例えば「寛政九丁巳閏七月念二日」の年月日は、寛政9年7月2日ということになります。 「丁巳」(ひのとみ)という文字は干支(えと)を意味しています。 「閏」はうるう年で例年より1日多い年。 「念」は仏語で心中深く念ずる意味。
また、「宝永戊」の場合は宝永五年(1708年)であることが判ります。 「戊」は十干(じつかん)の第五を意味します。
「宝八年」は、宝暦八年になります。 宝の付く年号は宝永(元年から七年まで)と宝暦(元年から十二年まで)だけしかありません。 その中で宝暦は日本で使われていた太陰太陽暦の特別の和暦)で、当時は宝・・年と云う使い方もしていました。

また、墓碑の上に彫られた難しい文字は「梵字」と云われますが、真言宗に多いようです。曹洞宗などの禅宗では「○」が彫られています。






4.家紋、屋号、宗派について



家紋は室町時代に足利将軍が天皇家より紋章を賜り、その後武家を中心に家紋が急速に普及しました。
武士の間では主従関係又は血縁関係を表すものとして使用され、戦場に於いては旗に家紋を付けてその存在を示していました。 武将が馬にまたがり肩には家紋の旗を背負って戦場を駆け廻っていたのは、主君や参謀達に活躍の実態を見てもらうためです。 それが恩賞に繋がっていました。 
商家では屋号と併せて使用しました。
農家も江戸時代以降になって庄屋から家紋を授かったり、戦に参加した農兵が家紋を授かったりしていました。

姓氏と家紋の関係を記述した古文書や資料は多く、図書館等に保存されています。
しかし、家紋は先祖代々のものから、主従関係・恩賞によるものや分家・別家としての新しい紋章等があります。 したがって、家紋を複数使用する家や新しく変えた家もありますので、その家系の歴史の実態を把握して、その家の代表家紋を判断する必要があります。 

屋号は、商売をしている家ではお馴染みのものですが、商売でない家でも屋号を見ることが出来ます。
近江屋、信濃屋などの屋号を見受けますが、それはご先祖様の出身地を屋号にしたものです。

宗派もその家の歴史を探るうえで参考になることがあります。 真言宗は平安時代に興り、日蓮宗は鎌倉時代に興っています。 一般的に歴史の古い家の宗派は真言宗の場合が多いようです。 




5.株家(カブウチ)に協力をお願いする



墓碑調査に次いで重要なものが株家の調査です。
ご自身の家にあまり家系の資料が無い場合でも、株家はご先祖様が同じですから、株家のうちのいずれかの家に系図や過去帳が保管されている場合もあります。
株家のそれぞれの家は一般的に同じ姓の場合が多いですが、分家された時には母方の姓を引き継いでいる事もありますので、姓が違っても問合せしてみることです。
株家の調査についても、墓碑や家紋・屋号等について調べる必要があることは云うまでもありません。
しかし、調査に関しては、本家分家の関係を損なわないように充分配慮して下さい。
また分家は、地域や時代により別家、新宅、新屋、などのように呼び方が異なります。
商家では、血縁関係がなくても暖簾分けをした家を別家と呼ぶこともあります。

終わりに際して: ルーツ調査は、長い年代を遡って一つ一つ回答を出してゆく作業ですが、回答が出る度に新鮮な喜びを味わうことができるのではないでしょうか。
しかし、調査段階で行き詰まったり不安に思ったりする場合は、ルーツ調査が異なる方向へ進んでいる場合が多いので、掲示板で問い合わせるか調査依頼する事をお薦めします。
皆様のルーツ調査が成功されます事をお祈りします。



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