(書誌+要約+請求の範囲+実施例)
【発行国】 |
日本国特許庁(JP) |
図2

図3
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【公報種別】 |
公開特許公報(A) |
【公開番号】 |
特許公開2010-5307 |
【公開日】 |
平成22年1月14日(2010.1.14) |
【発明の名称】 |
義足 |
【国際特許分類】
A61F 2/64 (2006.01) |
【FI】
A61F 2/64 |
【審査請求】 |
有 |
【請求項の数】 |
4 |
【出願形態】 |
OL |
【全頁数】 |
8 |
【出願番号】 |
特許出願2008-171049 |
【出願日】 |
平成20年6月30日(2008.6.30) |
【出願人】 |
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【識別番号】 |
508197572 |
【氏名又は名称】 |
小西 幸夫 |
【住所又は居所】 |
新潟県長岡市青葉台5-4-1 |
【代理人】 |
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【識別番号】 |
100091373 |
【弁理士】 |
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【氏名又は名称】 |
吉井 剛 |
【代理人】 |
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【識別番号】 |
100097065 |
【弁理士】 |
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【氏名又は名称】 |
吉井 雅栄 |
【発明者】 |
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【氏名】 |
小西 幸夫 |
【住所又は居所】 |
新潟県長岡市青葉台5-4-1 |
【テーマコード(参考)】
4C097
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【Fターム(参考)】
4C097 AA02 AA07 BB02 CC13 CC18 TA06 TA08 TB03 TB17 |
【要約】
【課題】本発明は、従来にない作用効果を達成する画期的な義足を提供することを目的とする。
【解決手段】身体に装着される上側構造部1と、この上側構造部1に連結され下端部に接地部2aを有する下側構造部2とからなる義足であって、前記下側構造部2若しくは前記上側構造部1のいずれか一方に突状部3が設けられ、他方に被嵌連結部6が設けられ、この被嵌連結部6にはリング部材5が嵌合されており、前記突状部3は前記リング部材5のリング孔5a内に配されるように構成され、前記リング部材5には前記リング孔5a内に突出する挟持部材4が設けられ、この挟持部材4により前記リング孔5a内の前記突状部3を挟持する構成であり、前記被嵌連結部6により前記挟持部材4の基端部4bを支承して前記挟持部材4を所定位置に保持するものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着される上側構造部と、この上側構造部に連結され下端部に接地部を有する下側構造部とからなる義足であって、前記下側構造部若しくは前記上側構造部のいずれか一方に突状部が設けられ、他方に被嵌連結部が設けられ、この被嵌連結部にはリング部材が嵌合されており、前記突状部は前記リング部材のリング孔内に配されるように構成され、前記リング部材には前記リング孔内に突出する挟持部材が設けられ、この挟持部材により前記リング孔内の前記突状部を挟持する構成であり、前記被嵌連結部により前記挟持部材の基端部を支承して前記挟持部材を所定位置に保持するように構成したことを特徴とする義足。
【請求項2】
請求項1記載の義足において、前記リング部材には複数の貫通孔が設けられ、これらの貫通孔夫々には前記挟持部材が嵌挿されていることを特徴とする義足。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の義足において、前記挟持部材の前記リング孔内での突出量は可変可能に構成されていることを特徴とする義足。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の義足において、前記リング部材の外周面には前記被嵌連結部が螺着する螺子溝が形成されており、この螺子溝が形成される外周面に前記挟持部材を嵌挿する前記貫通孔が開口するように構成されていることを特徴とする義足。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、身体(切断脚の大腿断端部)に装着される上側構造部1(ソケット部)と、この上側構造部1に連結され下端部に接地部2a(足部)を有する下側構造部2(下腿義肢部)とからなる義足(大腿義足)である。尚、この下側構造部2の上部には屈伸運動を可能にする膝関節として機能する周知構造の屈伸部7が設けられている。符号8はシリンダー装置である。
【0029】
本実施例では、この上側構造部1と下側構造部2とを角度調整機能付きの連結構造を介して連結される。
【0030】
具体的には、この連結構造は、下側構造部2の上部に設けられる突状部3と、この突状部3に連結するリング部材5と、上側構造部1の下部に設けられリング部材5に被嵌連結する被嵌連結部6とで構成されている。尚、上側構造部1に突状部3を設け、一方、下側構造部2に被嵌連結部6を設けるようにしても良い。
【0031】
突状部3は、図2に図示したように下側構造部2に設けられる屈伸部7の上面に突設された適宜な金属製の四角柱形状体である。
【0032】
この突状部3は、4つの各周面がテーパー面3aとなるよう上端側程径大に形成されている。
【0033】
このテーパー面3aを設けることで、後述する挟持部材4で挟持せしめた際、突状部3の周面が単なる垂直面だった場合に比し、挟持部材4の先端面が可及的に面当接し得ることになって常に安定した良好な角度調整が可能となり、しかも、突状部3の良好な抜け止め作用が発揮されることになる。
【0034】
リング部材5は、図2に図示したように適宜な金属製の部材で形成したものであり、前述した突状部3をリング孔5a内に配して囲繞し得るように構成されている。
【0035】
また、リング部材5の外周面には被嵌連結部6が螺着する螺子溝5cが形成されており、この螺子溝5cが形成される外周面に後述する貫通孔5bが開口するように構成されている。
【0036】
また、リング部材5には、等間隔に4つの螺子孔から成る貫通孔5bが形成されており、この貫通孔5bは、リング孔5aの内面とリング部材5の外周面に開口するように設けられている。
【0037】
この各貫通孔5bは、図3に図示したように外側開口部よりも内側開口部の方が上方位置となるように傾斜状態に設けられている。この各貫通孔5bの傾斜角は、後述する挟持部材4の先端部4aが突状部3のテーパー面3aに面当接する角度に設定されている。
【0038】
また、各貫通孔5bには挟持部材4が螺着される。
【0039】
この挟持部材4は、図2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した螺子棒体であり、挟持部材4をリング部材5に螺着した状態で突状部3をリング部材5に配し、この状態でリング孔5a内の突状部3を各挟持部材4の先端部4a同士で挟持することで突状部3に対してリング部材5を連結することができる。
【0040】
この挟持部材4を介して突状部3にリング部材5を連結する構造が角度調整機能を発揮することになり、上側構造部1と下側構造部2とが最適な角度で連結されるよう、突状部3をリング部材5に最適な角度で配し、この状態で各挟持部材4を適宜な量だけ突出させて突状部3を挟持することで、上側構造部1に対して下側構造部2を所望の角度で連結することができる(図3,4参照)。この際、貫通孔5bの外側開口部から突出する挟持部材4の基端部を切除するが、この切除した面がリング部材5の外周面と面一となるように切除する。
【0041】
従って、この状態のリング部材5に後述する被嵌連結部6を被嵌連結させた際、この被嵌連結部6で各挟持部材4の基端部4bが抜け止め状態で支承され該挟持部材4は所定位置に保持されることになる。
【0042】
尚、挟持部材4は貫通孔5bに螺着する構造に限らず、圧入係止する構造のものでも良いが、いずれにせよ脱着し得る構造が望ましい。
【0043】
被嵌連結部6は、図2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した環状体であり、上側構造部1の下部に設けられている。
【0044】
また、被嵌連結部6の内孔には螺子溝6aが形成され、前述したリング部材5に螺着して被嵌連結し得るように構成されている。
【0045】
また、被嵌連結部6は、所定箇所にスリット部6bが形成されて縮径可能に構成されており、このスリット部6bの対向端部間には該スリット部6bを締め付ける締め付け部材9が設けられている。
【0046】
従って、被嵌連結部6をリング部材5に螺着して被嵌連結した後、締め付け部材9を締め付け操作してスリット部6bの対向間隔を狭めることで、リング部材5に対する被嵌連結部6の堅固な連結状態が得られることになる。
【0047】
本実施例は上述のように構成したから、上側構造部1と下側構造部2とを連結する場合、下側構造部2に設けた突状部3にリング部材5を連結するとともに、このリング部材5に上側構造部1に設けた被嵌連結部6を被嵌して螺着連結する。
【0048】
この突状部3に対するリング部材5の連結は、突状部3をリング部材5内に配し、この状態でリング孔5a内で突出する挟持部材4により該リング孔5a内の突状部3を挟持することで行われる。
【0049】
この際、身体に対して最適な装着状態となるよう(上側構造部1と下側構造部2とが最適な角度で連結されるよう)、突状部3をリング部材5内に最適な角度で配し、この状態で各挟持部材4を螺動させて適宜な量だけ突出させて突状部3を挟持することで、上側構造部1に対して下側構造部2を身体に合った状態で連結することができる。尚、リング部材5の貫通孔5bから突出する挟持部材4の基端部4bはリング部材5の外周面5bと面一となるように切除される。
【0050】
従って、歩行が良好に行える最適な装着状態が得られることになる。
【0051】
尚、その後、再度調整が必要になった場合には、上側構造部1と下側構造部2との連結を解除し(リング部材5に対する被嵌連結部6の連結を解除するとともに、突状部3に対するリング部材5の連結を解除し)、挟持部材4を新しいもの(調整できる長さのもの)に変えて再び前述した調整を行いながら上側構造部1と下側構造部2との連結を行う。
【0052】
よって、本実施例によれば、上側構造部1に設けた被嵌連結部6をリング部材5に被嵌連結した際、この被嵌連結部6により挟持部材4の基端部4bを支承して挟持部材4を所定位置に保持するように構成されているから、リング部材5における挟持部材4を設ける部位の他に被嵌連結部6を被嵌連結するための部位を別途設ける構造でなく、上側構造部1と下側構造部2との連結構造における厚みはリング部材5(被嵌連結部6)の厚み分だけとなる為、前述した従来例と異なり、全体長が長くなって左右の足のバランスが悪くなるという問題点が生じることはない。
【0053】
また、本実施例は、前述したように被嵌連結部6により挟持部材4の基端部4bを支承して挟持部材4を所定位置に保持する構成であるから、前述した従来例と異なり、使用を重ねることで挟持部材4が没方向へ移動するが確実に防止され、よって、調整した角度が変わってしまうという問題点が生じることはなく、常に良好な歩行が行えることになる。
【0054】
また、本実施例は、リング部材5の外周面には被嵌連結部6が螺着する螺子溝5cが形成されており、この螺子溝5cが形成される外周面に挟持部材4を嵌挿する貫通孔5bが開口するように構成されているから、被嵌連結部6により挟持部材4の基端部4bを支承して挟持部材4を所定位置に保持する構成が簡易且つ確実に得られることになる。
【0055】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
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